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とっかえっこ


ナレーター「ただ今より“とっかえっこ”を上映いたします」
会場にブザーが流れ、暗転する。少女は自分の席を見つけると薄暗がりの中座る
場面からちょうど中央の特等席だ。となりの席は空いてるし、映画を邪魔される
こともなさそう、と内心 ご満悦 映画会社のロゴマークBの文字がでかでかと
画面に広がりオープニング曲が軽快に流れる、と、後ろからドタドタとうるさい足音
男の子「A-5 A-5 あ、あったあった」
と足音の主は女の子の隣の席に座った。
男の子「はぁ なんとか間に合った〜」
ため息をついて不作法にドカッと座るのを女の子はムッとしながら見ていたが男の子
全然 気にしてない。女の子は映画に熱中することにした。せっかく楽しみにしてた
映画「パーマン」楽しまなければソンだ。

画面ではパー子が雲の上でバードマンに似ている魔法使いに お願いする
BGMに「ご機嫌伺いLOVE」がかかっている。
パー子「お願い 一度だけで良いから彼と私の立場をとっかえっこして」
バードマン似の魔法使い「よしよし、君はいつもいい子だから願いを叶えてやろう」
まばゆい光の中パー子が包まれる、ベットで目を覚ますとなんだかいつもより
ずっとすがすがしい気分 長年の悩みがウソの様に消えている
スミレ「うーん 今日も一日はりきっていきましょ!」
1号「パー子 すぐ来てくれ事件だ」
バッジから1号の呼び出し パー着すると事件現場に急行する、交通事故を他のパー
マン達と一緒にかたづけると、さっさと帰るパー子
パー子「じゃあね、」
手を振り空を滑空するパー子を1号はいつまでも眺めている
1号「あ〜あ、、、パー子の鈍感め〜」
パーヤン「あはは、はっきり言ったらいいのに男らしゅう 好きやって」
1号「そんな事言えるわけないだろ、第一言ったところで大笑いされて終わりさ」
ブービー「ウム ウム」
2号が腕を組んでうなずいている
1号「チェ ブービーまで」
口をとがらす1号に、ブービーは先日の事を言う
2号「ウィ ウッキャキャ」
1号「まぁね・・・この間も」
と回想シーン
花束を持ってパー子を上空に呼び出す、
1号「あの、これを受け取って・・・」
3号「あら、きれいなお花 スミレちゃんにわたせばいいのね」
1号「え、あの、それは君に・・・」
花束を受け取るとさっさと帰ってしまうパー子
1号「パー子の鈍感・おタンこなす・お転婆!」
悪態をつく1号の前にパー子が戻ってくるとパシーンと平手打ち
パー子「人にモノを頼んでおいて 悪口言うなんて信じられない!」
とまた、飛んでいってしまうパー子
1号「ああ〜〜〜もう!どおしたらいいんだ」
とジダンダを踏む1号

またある時、上空をパトロール中の1号と2号は下で仲良さそうに話している
出来杉クンとパー子を見かける、出来杉クンは名前の通り ルックスも頭も性格も
申し分ない少年で、女の子は誰もが夢中になる。ご近所のアイドル少年
パー子も彼を気に入っていることは彼女の口から何かというと出てくることからも
察しが付く
パー子「もう!少しは出来杉さんを見習って男らしくしなさいよ」
とか
パー子「ホントに1号はドジね、その点 出来杉さんなんて・・・」
1号(ミツ夫)は別に彼の事が嫌いではない、でも好きな女の子の口から彼の名前を
頻繁に聞いていると段々、ライバル視したくなる。でも、実際の自分は1号にでも
ならない限り出来杉クンとはとっても張り合えない。
1号「あ〜あ、、、切ないなぁ」
2号「ウキャ ウッキョキャキャ」
1号「恋煩いなんてガラじゃないって?だってしょうがないだろ」
と事件発生 パーヤンからの連絡、上空にいる1・2号の所に飛んでくるパー子
近くにいた1号の手を取りパータッチしようとするが、1号は彼女の手をはらいのける
1号「誰がパー子となんか手をつなげるか」
パー子「まぁ 失礼しちゃうわね じゃブービー」
と2号と手をつなぐパー子、ガッカリしながら2号とパータッチする1号、
1号「ホントに、鈍感だな ヤキモチやいてるのもわからないのかぁ?」
パー子「え?なんか言った」
1号「え、あ いや なんでもない」

画面を見ている男の子がぽつりとつぶやく
男の子「ホント、鈍感だなパー子は」
それを聞いた隣の女の子はムッとする、さっきからまったくイヤな感じだ
女の子「そうかしら、ハッキリ言わないから悪いのよ」
男の子「むっ!君・・・」
男の子が反論しようとすると後ろの席からシーッと注意され2人は押し黙る。

画面は大雪 吹雪に見舞われた山岳地帯 遭難した人を助けるべくパーマン達は
活躍している。と、パー子がナダレに巻き込まれ一人行方不明になる
1号「パー子!パー子!!」
パーヤン「バッジの呼びかけに応答がないで」
2号「ウッキキョ〜〜・・・」
1号「とにかく呼びかけ続けるんだ!バッジの通信を切らないで3方向に別れよう」
1号はリーダーらしく判断を下し、2人と1匹は3つにわかれ飛んでいく
1号はパー子の埋もれているナダレの上を飛びバッジに呼びかける
1号「パー子!パー子!!」
ナダレの下からかすかにバッジの反応する音 ビビビビ・・・
1号「パー子!ここか!!」
雪をどかし、必死に彼女を救出する1号 気を失っているパー子の頬を叩き
彼女の身体を揺さぶる
1号「パー子!しっかりしろ!」
パー子「う。う〜ん… 1号」
1号「おい!パー子 パー子 寝るな 寝ちゃったら死んじゃうぞ 頼む!死なないで
ボクは、君が好きなんだ! お転婆パー子!!頼む!寝るなったら」
パー子「え… なぁに〜… うるさいわねぇ… 私ねむいのよ…」

後ろの席からボリボリ ポリポリ何かを食べる音が聞こえてくる
男の子「君こそ静かにしてくれよ」
振り返って後部座席のさっき自分を注意した人物に言うと
後部座席の子「わいやないで、隣や」
隣の子「ウッキャ・・」
ゴソゴソ ポップコーンをしまう
男の子「なんだい ウッキャなんて、お猿みたいに」
女の子「しっ!今いい所なんだから」

1号は彼女を抱えて雪山を降り パー子を救うと無事に帰路につくパーマン達
 すっかり元気になったパー子にパーヤンがそっと近づくと言う
パーヤン「なぁ パー子はん 1号はんになにか大事な事言われたん違う?」
パー子「え?なにが」
バッジの通信を切らないでいたからパーヤン達にも1号の言った事はわかっていた。
少しでも2人の仲を取り持とうと余計なお世話を買って出るパーヤン
パーヤン「ほら、1号はんに助けられた時や、なんぞ1号はん言うたやろ」
1号はぶっちょう面で先頭を飛んでいる
1号「とうとう はっきり好きだって言っちゃったもんな、まともに顔を見られない」
その1号にパー子が近づくと言う
パー子「ホントにあなたって失礼よね」
1号「え??」
パー子「人が死にそうになってる時にまでお転婆だなんて、よくも悪口言ってくれ
ちゃって」
1号「あ、ああ!お転婆じゃないか〜 おまけに鈍感でヒステリーで・・・」
パー子「まぁ!失礼しちゃう もう貴方なんて口も聞きたくないわ」
と先を飛んでいくパー子はプンプン怒っている
2号「ウッキャ」
パーヤン「よりによって悪口だけ聞こえてるなんてなぁ」
と1号の肩越しにパーヤンが言う
1号「チェッ ずっとこのままなのかな?」
1号の背中に夕日があたっている、なんとも寂しそうな背中

男の子「可哀相だなぁ 1号」
女の子「そうかしら?ハッキリ言わないから悪いのよ」
男の子「ナンだよ君!さっきからうるさいな」
女の子「何よ!貴方こそ映画が始まったときからずーーっとウルサイじゃない」
男の子「君がボクの言ったことにいちいちウルサイからだろ」
女の子「だって1号が悪いんじゃない どうして可哀相なのよ」
男の子「男心の複雑さが女に分かってたまるか」
女の子「女心の複雑さだって男になんかわからないわよ」
後部座席の男の子「いい加減にしてや!やかましいて見てられんわ」
その隣の子「ウッキャウッキ〜〜〜」
会場内の視聴者「し〜〜〜〜〜〜〜〜〜っつ!!(-.-#)」

空を飛んでいるパー子がまだ憤慨している
パー子「いくら寝ちゃわないように・・・ったって悪口言うことないじゃない
もっとびっくりする様な事言えばいいのよ、うーん 例えば好きっとか、あはは
でも もしそんな事言われても困るけど、だってあんなお子さまじゃね、もっと
大人になってくれなくちゃ」
空を飛んでいるパー子の前にバードマンに似た魔法使いが現れると、言う
バードマン魔法使い「もう いいかな?」
魔法の粉がパー子を包むと、最初の画面にもどりパー子は正気をとりもどす
バードマン魔法使い「君の願い通り 彼との立場をとりかえっこしたがどうだった?」
パー子「ええ〜??あ〜ん そうじゃなくって、、、、なんか違う〜〜〜〜」

女の子「可哀相なのはやっぱりパー子よ」
男の子「なんでさ!願いを叶えて貰ってよかったじゃない」
女の子「だって全然 願いがかなったことにならないわ!パー子は1号と仲良く
したかったんですもの」
男の子「だったらもっと素直にならなきゃ」
女の子「十分 素直じゃない 1号が、男の子が鈍感だから悪いのよ」
男の子「チェ 1号は十分 敏感だね! ちょっと意地を張ってるだけさ」
後部座席の男の子「もう いい加減にしてんか?」
女の子「もう!あたし帰る」
と画面に制作スタッフが流れている中 彼女は立ち上がって帰ってしまう、それからしばらくして会場が明るくなると、後部座席の男の子の顔を見る男の子
男の子「あ、パーヤンのコピー」
パーヤンのコピー「あ、1号はんのコピーやったんか」
ブービー「ウッキャ」
パーヤンの隣にブービーのコピー おたがい久しぶりに顔を会わせて喜ぶ
みんな勿論 素顔のまま、マスクなんてしていない。
ナレーター「本日はコピーロボット慰安映画会に出席下さり誠にありがとうござい
ました。日頃 パーマン達の仕事中 彼らの代わりを努めて下さるコピーロボット
へのささやかなお礼の映画会でした・・・」
コピーミツ夫「じゃあ!今 ボクの隣にいた女の子はパー子のコピー?」
パーヤンのコピー「コピーミツ夫はん パー子はんの顔見はりました?」
ブービー「ウッキャ??」
コピーミツ夫「ううん。暗くてよく見えなかった」
あわてて会場の外に出ていく人混みを見渡すが、すでに彼女がどこにいるかわから
ない、他の星のパーマン達のコピーも沢山いる
パーヤンのコピー「あ〜あ、せっかくパー子はんの正体がわかるところやったのに」
ブービーのコピー「ウッキャ〜〜〜・・・」
コピーミツ夫「パー子のコピーとはいろいろ話がしたかったのになぁ」
会場の外に出ているパー子のコピー コピースミレはほっとため息をつく
コピースミレ「せっかく コピーミツ夫さんに1号の気持ちを確かめたかったのに
オリジナル同様 ケンカしちゃった…」
と夜空を見上げて家路につくコピースミレ
コピーミツ夫「せめてコピー同士は仲良くしようと思ったのになぁ」
と人もまばらになった会場内でつぶやくコピーミツ夫


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