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とじこめられて


パー子「1号?」
パー子の心細い声が背中に聞こえてくる。パーマンマスクをしていても1m先にある
岩のシルエットがかすかに見えるという真の闇。
1号「なんだい?パー子」
1号は無理に明るい声で言うと振り返る。
手探りでこっちに向かってくる彼女の手をとるとパー子はかすかに笑う。
いつもの強気な彼女はいったいどこに行ってしまったんだろう?
元気がないのも無理もない だってこんな常態の中 彼女の目は、
1号「大丈夫かい?まだ見えないの?」
パー子「ええ、でも目の痛みはなくなったわ」
1号「ごめん、、、パー子 ボクが足を踏み外したばかりにこんな事になっちゃって」
ガックリ肩を落とす1号に、パー子はいつもの元気な声で言う
パー子「ホント いい迷惑だわ」
1号にはその元気の良さがまた辛かった。パー子が強がっているのがつないだ手が
ふるえている事でよくわかったから。

ここは地下数千メートルの巨大な空洞、1号はあの日の事を少し悔やんでいた。
もうすぐ連休だというのに、ミツ夫は相変わらずおこずかいにこまっていた。
そんな時 パーヤンが耳寄りの情報を持ってきたのだ。

パーヤン「ミツ夫はん、いや1号はん 良いアルバイトがあるんやけど、どや?」
二つ返事でokするミツ夫 アルバイトの内容は考古学者と一緒に遺跡発掘現場に
同行すると言うもの、なんでも巨大な地下の神殿跡が山の中にあり、その洞窟は
地下数千メートルにおよぶ巨大空洞で 古代文字や壁画などがある 考古学上
 非常に貴重なのだが、いかんせん洞窟の入り口はせまく車やヘリコプターなどが
入る隙間はない、で、パーマンに依頼が来たのだ。力もあり小回りが利く飛行も
可能とあれば、これ以上ない助手だろう。交渉上手なパーヤンはパーマン一人につき
日給1万円という小学生のアルバイトとしては破格なアルバイト料でこの仕事を
受けてきた。
1号はリュックを背負って待ち合わせ場所の山中に現れると、もうメンバーは
全員 揃っていた。考古学者の渋谷教授・助教授の三角さん・カメラマンの尾崎さん
そしてパーマン1〜4号が遺跡調査団全員だ。
パー子「おそいわよ1号」
1号「うるさいなぁパー子 ちょっと遅れただけじゃないか」
相変わらず1号と3号は顔を合わせればケンカする
だいたい いつもパー子は口うるさい 最近得に何かというと人に文句をつけたがる
「しっかりしろ」だの「ドジで鈍感」だの「女好き」だのとよくもこれだけけなせる
ものだと思うほど彼女の口からは自分への悪口が吐き出される。

渋谷教授「じゃ、ボツボツ いくかいな」
白いヒゲを蓄えたのんびりした教授は、いつも歩き慣れている場所を行くように細い
山道をひょこひょこ歩いていく、助教授の三角さんもカメラマンの尾崎さんも
必要以上の荷物を持っていない。パーマンの中でも2号と1号のリュックが一番
大きいくらいだ。2号のリュックの中身はバナナが沢山入っているのが外から見ても
すぐわかる、黄色いバナナがリュックの隙間からはみ出してる
1号は遺跡発掘なんて初めての経験で何を持ってきたらいいのかいろいろ悩んだ
あげく、いつものハイキングに持ってくるような道具の他 お菓子やら、ちょっと
したナイフや懐中電灯を持ってきた。
洞窟は一段と暗く道が細くなる。なま暖かいしめった風が奧から生き物の息の様に
吹いてくる。
尾崎「気を付けてください この辺りはすべりやすくなってますから」
三角「この下はまだ、我々もくわしく調査してないんです。今回 パーマンさん達の
協力を得て初めて奧まで調査出来る」
懐中電灯に照らされて助手の三角さんがうれしそうに言う
パーヤン「ブービーはん 大丈夫でッか?」
大きなリュックを持ったブービーを気遣うパーヤン ブービーはうなずくと
後ろを振り返りパー子に同じ事を言う
ブービー「ウキャ?」
パー子「私は大丈夫よ ブービー 一番心配なのは1号ね」
パー子は振り返って1号に言うと1号は憤慨して大股で彼女を横切り先頭に立とうと
する
1号「なんだい!パー子!!君になにかあっても絶対助けてなんかやんないぞ」
パー子「あ〜ら こっちこそよ」
と1号はパー子の横からフッと姿を消す
パー子「え?1号」
辺りを見回すと 岩の透き間に挟まっている1号が必死にはい上がろうとしていた
隙間はせまく1号の身体は上にも下にも行けない
パー子「もう!まったくドジなんだから」
1号「いいよ!君になんか助けて貰いたくないさ」
手をのばすパー子の手をとらない1号にパー子は口をとがらせながら 彼の手首を
つかむと上にひっぱりあげようとする、と、その時 ぐらぐらと地震が起き その
隙間が少し広がると1号とパー子は真っ逆様に落ちていく、2人のマントは隙間が
狭すぎて反重力波をおこせないまま、暗闇の中に落ちる
パーヤン「パー子はん!1号はん!!」
2号「ウッキャ〜!?」

暗闇の中 気が付いた1号はひざを少しすりむいただけだった。そばに自分の右手首を
しっかりにぎってはなさいパー子が横たわっている。
1号「バカだなパー子 あの時 手を放してれば落ちないですんだのに」
口ではそんな事をつぶやきながら「すまない」という気持ちでいっぱいになる1号
1号はパー子を揺さぶり起こす
1号「パー子 パー子 おい 大丈夫か?」
パー子「あ・・・1号、、、どこにいるの?ここはどこ?」
1号「え?なに言ってるのさ ボクはここだよ、ここがどこかは分からないけど」
と辺りを見回す 1m先の岩のシルエットがぼんやり見える 暗くて、どこか
じめじめしている。どうやらかなり広い空間らしい 1号は立ち上がると数歩 歩く
遠くで水の音がする。地下水脈があるんだな と1号は思う
パー子「1号、1号!どこにいるの??」
1号「ボクはここにいるじゃない パー子なにさわいでんのさ」
彼女から1mもはなれていない 1号はアカンベーっとおどける
パー子は手探りで1号の身体とは反対方向の岩を触っている
1号「ぱ。パー子 もしかして目が見えないの??」
パー子は目をおさえてしばらくうずくまっていた。1号は彼女の肩に手をおいて
手をにぎる、他に何も出来ない。
パー子「目が・・・目が痛い・・・」
1号「ごめんよ パー子、、、」
後悔で胸がいっぱいになる あの時 自分が先頭に行こうとしなければ、あの時
自分が隙間に足をとられなければ、あの日 パーヤンのアルバイトの話にのらな
ければ、こんな事にはならなかった。

あれからどれくらいの時間がすぎただろう?うずくまっていたパー子はいつの間にか
スースー寝息をたてて眠っていた。1号は彼女から離れて少しこの場所の様子を
さぐっていると後ろから手探りでパー子がやってきた。
パー子「1号?」
パー子の心細い声が背中に聞こえてくる。
1号「なんだい?パー子」
1号は無理に明るい声で言うと振り返る。
手探りでこっちに向かってくる彼女の手をとるとパー子はかすかに笑う。
パー子「ねぇ バッジでみんなに連絡がとれないかしら?」
1号「さっきやったんだけど、全然 連絡とれないんだ。たぶんみんな無事だと
思うけど」
パー子「そう・・・」
暗闇の中ガックリ肩を落とすパー子 つないだ手に思わず力が入る
1号「大丈夫だよ!僕たちパーマンなんだから、パーヤンやブービー達もきっと
教授達と一緒に僕たちのこと探してくれてるよ」
パー子「そうよね」
1号「なんだよ パー子らしくないな、もっと元気出せよ」
彼女の両肩をゆさぶる1号 彼女をはげましながら実は自分にも同じ事を言い聞かせて
いる。いつも強気なパー子の肩がやけに小さくきゃしゃに感じられる。いや、実を
いうとここ最近 彼女の身体に触ることは極端に減っていた。無意識のうちに彼女
とのパータッチをさけていたり、先頭にたって空を飛び彼女の後ろから飛ぶのを
避けていた ちょっと前まで、全然 気にしていなかった事をここ最近 やけに気に
なって仕方ない彼女の後ろを飛ぶと、必ず目に入るスカートの中 今まで何気なく
眺めていたのにここ最近 妙に恥ずかしい、パータッチで手や身体に触れるのを
必要以上に意識してしまう。パー子が肩におかれた1号の右手をとると両手で包み
込むようににぎる 1号は何故かドキッと胸が高鳴る。
パー子「1号 あの、、、目が見えない間 ずっと手をつないでいていい?」
1号「え、あ、うん そうだね ここで2人とも離れちゃまずいもんな」
暗闇の中自分の頬が赤らむのがわかる、彼女の手は繊細で小さかった。
1号(なんで ボク こんな事でドキドキしてるんだろう? パータッチしてるだけじゃない)
そんな事を自分に言い聞かせる1号

一方 パーヤン達は1号達と離ればなれになりながらも教授の意志で調査は進行していた。
渋谷教授「ここで2人を捜しても見つかるとは限らんじゃろ、それより調査が先じゃ」
助教授「ええ だって教授 1号とパー子さんは!」
尾崎「そうですよ あの2人を救出しなきゃ」
渋谷教授「どうやって?隙間はもうふさがっとるし ま、パーマン君達はきっと
この下にでもおるじゃろう、それより遺跡調査じゃ」
2号「ウッキャ〜(`_´プンプン)」
冷酷な教授の判断に2号は怒るが パーヤンは冷静に教授の意見に賛成する
パーヤン「そうやな、隙間がふさがってる以上 ここから2人を助けることはできん
それにわいらアルバイトでここに来てるんや、仕事せなアカン」
2号「ウギー!!(-.-#)」
パーヤン「大丈夫 あの2人のことや 絶対 無事にきまっとる この先に行けば
もしかして2人が落ちた所にいけるかもしれへん」
2号「ウィ〜(;´_`;)」
2号にはパーヤンがちゃんと2人のことを心配しているのがわかった。今は 遺跡
調査を進める他なさそうだ。きっとあの2人は無事でいるに違いない。
渋谷教授「おお!パーヤンくん 尾崎君を乗せてあっちの壁画をカメラに納めてくれ」
懐中電灯で照らす自分たちのいるのとは反対側の壁を指す教授 空でも飛べない限り
とってもそこには行けそうにない カメラマンの尾崎はカメラを構え 早くも準備OK
ベストショットを見つけたカメラマンの目が光っている パーヤンは彼を背中に
乗せて壁近くまで飛んでいく
三角助教授「あ、教授 もしかしてあの赤い地層部分は・・・」
教授「三角くん 君もそう思うかね?」
三角助教授「はい!」
目を輝かせると2号の方をふりむき やはり空を飛べないと行けそうにない所を指さす
2号は彼を持ち上げると その赤い地層部分に連れて行く、丁寧に土を退かすと
シャーレー(ガラス勢の実験などに使う蓋付きのお皿)の中に入れ始める。
その後も 右だ 左だ 上だ下だと彼らを連れて行かされる2号と4号

1号は暗闇の中パー子の手を握ったまま手探りで洞窟の中を歩き回った。でも、どこを
通ってもごつごつした岩ばかりで1m先がやっと見える程度、せっかくある懐中電灯も
いざって時に電池が亡くなると困るというので必要以上使わないようにしている。
パー子「きゃっ」
暗闇の中 足下をとられてパー子がよろけるのを機敏に振り返ってささえる1号
1号の手がパー子の胸にあたる。ふんわりとやわらかい胸に1号はあわてて手を
引っ込めると、パー子の腰と肩に手を回す
1号「大丈夫か?パー子」
自分の声がうわずっているのが自分でも分かる、やわらかな胸 細い腰 きゃしゃな
肩、いつも強気でお転婆で 口数が減らないパー子、でも、彼女は女の子なのだ。
そんなわかりきった事を今更 痛感している自分がじれったい
パー子はそんな1号の必要以上なやさしさに、必要以上な敏感さを、やっと察した
パー子「だ、大丈夫よ やーね1号 そんなに心配しなくても平気よ」
わざと明るい声を出して、彼の悪口でもいってやろう いつもみたいに、いつもの
1号と3号みたいに、でも、ここ最近の1号の冷たい態度に密かに傷ついていた
パー子は今のやさしい1号を悪く言えなかった。そう、ここ最近の1号は前にも
増してパー子に冷たかった。
1号「パー子 ボクの前を飛ぶなよ!」
パー子「なによ!」
パトロール中 1号はそんな事を言いながらパー子を追い越していく、又 
パータッチで事件現場に急行する時も、やたらに1号は自分を避ける
1号「誰がパー子とパータッチするって言ったよ?な、ブービー」
と2号の手を取り先に行ってしまったり、何かというとすぐミチ子を引き合いに出し
1号「とても女と思えない」
などと彼女を愚弄する。パー子はそんな1号の軽口にいちいち傷ついていた。
パー子(どうしてそんなに私を避けるの? そんなに私が嫌いなの?)
何度 そう訪ねたかったか分からない、でもいつも口から出てくる言葉はとめども
ない彼の悪口「鈍感・ドジ・女好き・H・意地悪・しっかりしなさいよ!・だらし
ないわね」自分でもよくこんなに悪口を知っているモノだとあきれかえるほど、1号を
けなす言葉に事欠かなかったのに、今は、一言も出てこない。
パー子「ねぇ 動き回っても仕方ないかもよ」
1号「そうだね、でもじっとしてるのもさ」
為す術がない、せめてもう少し灯りがあれば周りが見渡せればいいのに、せめて
パー子の目が見えるようになればいいのに、そう思いながら彼女の顔をまじまじと
見つめる。マスクの下の顔を又 想像する1号 こんなお転婆な女の子はきっと
可愛くないに決まってる!そういつも自分に言い聞かせていた。でも、実は1号は
パー子を美少女なんじゃないか?と密かに想像していた。
マスクからはみ出す長い睫、つぶらな瞳 時折見える小さな鼻 決して大きくは
ない唇、活発な性格にふさわしいショートカットな髪。マスクをしていてもそれは
察しが付いていた。でも、彼女が美少女であるのを否定したい気持ちが大きい。
1号(アレ・・。またドキドキして来ちゃった。どうしちゃったんだろ?)
パー子「ねぇ 1号」
1号「え?なに」
パー子「もし、もしこのままここから出られなかったら」
1号「バカいうなよ!絶対 出られるさ僕たち6600倍の力があるんだぜ
いざとなれば岩を掘り進んででも出るさ」
パー子「そうよね・・・でも、このまま私 目が見えないのかしら」
このまま目が見えなかったら・・・そう考えると無性に不安になった。
星野スミレとしても、パー子としても目が見えないままでは引退せざる終えない。
そして、これで1号との仲も終わり そんな事ばかりが頭の中でうずまく、
つないだ手が震える。
1号「大丈夫だって!もし見えなかったらボクが一生めんどうみてやるよ」
思わず口走る1号にパー子はあっけにとられる
パー子「や、やーね1号ったら…冗談ばっかり」
赤くなるパー子に1号はなおもいう、彼女をこんな目にあわせてしまった事への後悔
そして、今 2人きりになって痛感するこの気持ち
1号「冗談じゃないさ ボクのお嫁さんにしてやるよ」
パー子「い、1号」
じーんとしているパー子、だがロマンチックな気分は1号のお腹の虫がなきだしすぐに
消えてしまう
1号「グ〜〜〜〜っつ」
パー子「もう!1号ったら」
そういうパー子のお腹もなきだし、2人は暗闇の中 顔を合わせて笑うと、リュック
の中からリンゴとバナナを取りだすと食べ出す。
1号「よかったなぁ、リュックの中身は無事で」
パー子「ホントね、」
腹が減っては戦は出来ぬと昔の人は言ったらしいが、本当にお腹に何か食べ物を
入れるとずいぶん気分的にも楽になってくる。

パーヤン達も教授達と昼食をとっていた 暗い洞窟の中 ランプと懐中電灯をともし
おにぎりや、サンドイッチ 果物を食べる。そばに大きな滝があり こう暗くなけれ
ば なかなか風光明媚かもしれない。
パーヤンはリンゴを服でふきながら教授に近づくと彼の持っている地図を一緒に
眺める
パーヤン「教授 この地図は?」
渋谷教授「うむ わしが作ったこの遺跡の地図じゃ」
パーヤン「ほ〜・・・」
懐中電灯を照らしパーヤンは地図をしげしげ見つめる。縦長に伸びた洞窟 中央に
大きな滝 その滝の下には広い空間がある
渋谷教授「まだ この滝の下には行ったことがないが、たぶんこの辺りの地形上
広い空間があいておるとワシは思うとる」
パーヤン「じゃあ、1号はんと パー子はんは」
渋谷教授「うむ たぶんこの滝の下の空間におると思うがなぁ」
パーヤン「この滝を真下に行けばいいんやね?」
滝壺をのぞき込むパーヤン 滝壺は暗く地獄の底まで続いている様 まるで下が見えない
渋谷教授「あ、イカン イカン これはワシの憶測じゃからな、それにここから
段々 下に降りていけば たぶんその地下広場にたどりつくじゃろう」
ドゥドゥと流れ落ちる滝の側に細く曲がりくねった道が下へ下へと続いている。

パー子「ねぇ 水の音がしない?」
1号「うん ボクもさっきからそっちの方に行こうと思って歩いてたんだよ」
パー子「水っていうか・・・川とか滝みたいな音よね」
1号「う〜ん そうかな?」
パー子「目が見えないと他の部分が働くってホントね うん これは滝よ」
1号「うん そう言われてみるとそうかな」
パー子「滝があるって事は川もあるはずよね、川を下っていけばもしかして外に
出れるかも」
1号「うん そうだな」
すっくと立ち上がる1号と3号 2人は水の音のする方にパータッチで飛んでいく
水の音はどんどん近くなり、やがて1号の顔に冷たい水しぶきがかかる
1号「パー子!」
暗闇の中彼女の方を振り返ると、ニッコリ笑うパー子 これできっとどこかに
出られる!2人はどんどん下へ下へと下りていく。

パーヤン達も滝に添って下に下りていくが、さっきの地震で土砂崩れがひどく
これ以上先に進めない。
2号「ウッキ〜ィ!」
腕まくりのまねごとをして2号がその土砂を退けて進もうとするのを教授達がとめる
さっきの地震でただでさえ地盤がゆるんでる パーマンパワーで無理に土を
退けたりしたら今度こそ生き埋めになってしまう。
2号「ウィ〜・・・」
パーヤン「そうやな 1号はん達 大丈夫かいなぁ」
教授「もと来た道を戻ろう、1号くん達の事は改めて捜索隊を結成したほうが
いいだろう」
教授が眉間にしわを寄せて言う。
パーヤン達が元来た道をひきかえしている頃 1号とパー子はどこまで続くか
わからない川の上を飛んでいた。時折 懐中電灯で辺りを照らすと川はどんどん
細くなっていく、それと同時に1号も心細くなって来る 川が細くなるってことは
外に出る出口も小さいという事だ。
1号「あ、どうしよう」
思わず声を出す1号 懐中電灯に照らされた川の道筋は二つに分かれている
一つは大きく、もう一つは小さい
パー子「どしたの?」
1号が状況を説明するとパー子は腕を組んで悩む、とやがて言う
パー子「小さい方に行きましょう」
1号「え?だってパー子」
パー子「じゃあ 1号は大きい方がいいって言うの?」
1号「だって、その方が安全だよ もし違っても引き返せるし」
パー子「ひきかえすって何処に?」
1号「それは・・・」
この暗い空間 山のどこだかもわからない 今いる場所に戻ってきたって仕方ない
1号「じゃあ なんで小さい方がいいって言うんだよ」
パー子は肩をすくめて言う
パー子「大きい方は又 違う広い空間とか大きい滝とかに繋がってるかもしれない
でしょ でも、小さい方ならイキドマリで、外に近い山の壁面に出るんじゃない
かしら?そうすればパーマンパワーで穴を開けて外に出られると思うの」
1号「そっか!」
1号は単純だからそんな理屈でどうにか誤魔化したが、正直 ただのカンだった。
2人はその細い小さい方に進む と、いきなり広い空間に飛び出した。でも
そこは外ではない、青白い光が辺りを照らす不思議な空間
1号「ここは!?」
パー子「え?なぁに1号」
1号は目の見えないパー子のに説明する。だだっぴろい空間で、ボンヤリと青白い光が
壁や地面から発光していて さっきまでの暗闇とは比べモノにならないほど先の
見通しが利く 1号はその光っているモノをまじまじと見つめる 苔だ。
細かい苔がびっしりと岩にこびりついていて それが青白く光り辺りを照らして
なんとも神秘的だ。
さっきまで見えなかったパー子の顔もハッキリ見える パー子の顔をのぞき込んで
いる1号が、そっとパー子のマスクをはずそうとする 将来 お嫁さんになるかも
しれない人の顔を見てもバチはあたらないだろう。それにこの神秘的な光の中で
彼女の顔を見てみたい その1号をパー子がひっぱたく
パー子「なにすんのよ!」
1号「わぁ〜 ごめん ごめん!」
逃げ回る1号をパー子は追いかける 広い空間を2人でおいかけっこする とうとう
捕まってしまった1号がパー子に聞く
1号「ぱ、パー子 もしかして見えるようになったの?」
的確に逃げる方向に彼女が追ってくるのにやっと気がつき
パー子「え?、、、あ み、見えるわ!!」
自分の両手を見つめ やがて小躍りするパー子
パー子「わ〜!見える 見えるわぁ!」
それを見ている1号の目にかすかな太陽光が入る、さっきまで駆け回っていて気が
付かなかったが、そう、あれは確かに太陽の光 1号はパー子の手をとってその光の
する方向へ まぶしい光が温かく2人をつつむ
1号「外だ! 外に出られた! 助かったんだ!」
山の中腹より少し下りた所だろうか とても歩いては来れないような場所だが、
そこは確かに外界だった
1号「ヤッホ〜!助かったんだぁ」
パー子「よかった!よかったわね〜」
2人で喜び合う1号とパー子 その頃 パーヤン達も元来た道を通って山中に出ていた
パーヤン「さぁ、これから1号はん達を探しまひょ」
2号「ウッキー」
教授達にはさきに下山してもらい、2人は1・3号を救出しようと気合いを
入れていた。その2人の耳に聞き慣れた痴話喧嘩の声
1号「男に二言はない!」
パー子「だからイヤだって言ってるでしょ」
1号「何だよ!人がせっかくお嫁さんにしてやるっていってんだから素直に言うこと聞けよ!」
パー子「いいって言ってるでしょ〜!もう目は見えるようになったんだし
お情けでお嫁さんになんかしてもらいたくないわ!」
1号「言ったな!ボクだってパー子みたいなお転婆なんていらないさ」
パー子「まぁ!失礼しちゃう」
パーヤンとブービーが1・3号を発見した時には2人はいつもの様に痴話喧嘩の
真っ最中だった
パーヤン「いい加減にしてや!! 人が心配してた言うに〜〜〜!!」
パーヤンの激怒ぶりにあっけにとられる2人。
ブービー「ウギャァ〜〜〜」
パーヤン「ブービーはん 行こかぁ バイト代 1号はんとパー子はんの分山分けしまひょ」
ブービー「ウッキ!」
怒って先に飛んでいく2・4号をあわてて追いかける1.3号
1号「まてよパーヤン〜〜」
パー子「待って〜ブービー そんなに怒らないでよぉ こっちだって大変だったんだからぁ」
夕焼けがパーマン達の背中を赤く照らしている、明日もいい天気になりそうだ。

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