ミツ夫は自室のテレビをコピーと一緒に見ていた。2人ともデレデレなしまりの
ない顔、テレビの中はスミレ色の衣装をまとった同い年の美少女アイドル
星野スミレコンサートの生中継。
ミツ夫「うひゃぁ〜〜〜スミレちゃん」
コピー「コンサートのチケットとうとう取れなかったもんね せめてテレビで
見なくちゃ」
ミツ夫のポケットからバッジの呼び出し音
ミツ夫「はい こちら1号」
2号「ウキャキョキョキャ」
2号からの連絡はいつも行ってみないとよく分からない でも事件だ!ミツ夫は
パー着するとベランダの窓から飛び出していく
1号「コピー そのテレビ ビデオに撮っといてくれよ」
コピーはテレビから目を離さず わかった わかったと返事をする
1号「チェ〜ツ パーマンもつらいよな」
大好きなアイドルのテレビを見ているときくらい事件や事故が起こらなければ
いいのに、そんな事を思いながら飛んでいる勢か、夜の7時すぎで暗い勢か
1号はお風呂屋の煙突にぶつかる、
1号「あ いたっ!ったたた・・・」
そんな1号をバードマンは少し離れた上空で眺めていた。
バードマン「あ〜あ・・・ちょ〜っと安易にパーマンを選んじゃったかな」
とモニター越しに1号と2号のやりとりを見る、火事の中 勇敢に飛び込んで子供を
助け、テレビのレポーターの質問にも答えず飛び去っていく1号と2号 彼らが
一生懸命やっているのはわかる。でも、1・2号を安易に選んだのは否めない。
なんせ1号は昼寝中 たまたま出会った男の子だし、2号はパーマンバッジを投げて
当たったという理由。いくらなんでも我ながらいい加減すぎる。
バードマン「うむ、、パーマン3号は厳選して選ばなければ」
一人 円盤の上で腕を組むバードマン 円盤の中から小型高性能コンピューターを
取りだすとパーマン3号にふさわしい少年・少女を選ばせることにする。
1号が家に帰るとちょうどコンサートが終わったところだった。目がハートマークに
なっているコピーに1号はパー着をときながらビデオのスイッチを見る
せめてビデオを見よう。可愛くて きれいで、しとやかで、歌も芝居も
上手なあこがれのスミレちゃんの・・・
ミツ夫「こ・コピー!ビデオテープ入ってないじゃないか!」
コンサートを終了した星野スミレはステージを降りて、控え室にもどるとテレビの
スイッチを入れる、さっきの火事から勇敢にパーマンが子供を救い出した所が
映し出されている。レポーターの質問にもろくに答えず、まして正体を明かさずに
飛び去っていくパーマン。
スミレ「パーマン…どんな子なのかしら?同い年くらいよね 私のあこがれの人」

バードマンは円盤の中コンピューターのはじき出したパーマン3号にふさわしい
少女の細かい情報を見ていた。可愛らしい女の子の写真の隣に次の事が書かれている
星野スミレ 超人気アイドル、成績優秀、運動神経:10段階評価中10
勇敢で
心優しい。正義感;10段階中10 協調性10段階中 3 パーマン3号の資質10段階
評価中10 補足:パーマン3号志願度120% パーマンの資質100%中99%
パーマンが登場してからパーマンになりたいと望む少年少女は後を絶たない。
なんせものすごくカッコイイかというとそうでもないパーマン1号と2号
彼らがパーマンになれるなら自分だって!と思う子供達がいるのは当然だろう
でも、なかなかパーマンにふさわしい子供はいない。
でもこの星野スミレという少女はバツグンにパーマン3号の資質をそなえている。
ただ、ちょっと気になるのは「超人気アイドルというのと、協調性3」という所
バードマン「ま、とりあえず彼女にあって私の目で確かめてみよう」
バードマンは彼女の住む 都内マンション上空に円盤をテレポートさせる
スミレは小学校5年生なのにマンションに一人暮らしをしている。両親は仕事の
都合で海外におり、1年のうち家族が全員 顔を合わせるのは数回 電話や
エアメール それがスミレの唯一の慰めだった。そう、パーマンが登場するまでは
スミレはパーマンの登場で窮地を脱出した一人だった。何も彼に直接 助けられた
わけではない、それはすごく間接的な事だった。
スミレは女優としても大活躍している。中でも「エリカちゃんシリーズ」という
ヒロインもの のドラマは大人気で スミレも気にい入って演じている。
エリカという名のスミレ演じるヒロインは魔女の国からやってきた
ちょっとドジな魔女っ子で、一人で大勢の窮地の人を魔法で救うという夢のあるお話
誰だって魔法使いやスーパーマンにあこがれる、スミレはドラマで夢を叶えていた
女優という仕事の醍醐味。そんな時「エリカのファン」だという幼稚園の男の子から
ファンレターがとどいた、つたない字や絵で「エリカ」の似顔絵や「エリカちゃん
ダイスキ」と書かれた手紙、スミレはうれしくて仕方なかった。
幼稚園の男の子の名前はマサルくん、通称マァちゃんに、スミレはサインとエリカの
写真を送った。マァちゃんはスミレを本物の魔女っこエリカだと信じている。
「ありがとう」という内容のマァちゃんのママの手紙が送られてきた。
スミレ「いいえ、どういたしまして、私の方こそ励みになります」
そんなやり取りが何回かつづいたある日、マァちゃんのママからの感謝の手紙が
届いた。が、スミレはそれがショックだった。手紙の中に記されているマァちゃんの
ママの悲痛な文面、なんとマァちゃんは先日 落盤事故で亡くなったという
大きな岩に押しつぶされ虫の息になっているマァちゃんが、涙を流して半狂乱に
なっているママにこういったという
マァちゃん「ママ 心配しないで きっと魔女っこエリカちゃんが助けてくれるから」
そういってニッコリ笑って息を引き取っていったと、これもスミレ演じる楽しい
ドラマ「魔女っこエリカ」のおかげだ、本当ならマァちゃんは恐怖と痛みで泣き
叫んでいただろうに…。
スミレはその手紙を読み終わると立ちつくした。全身の血の気がひく、
スミレ「どうして…どうして私は 魔女っこじゃないの?どうして…スーパー
ヒーローはこの世にいないの?」
この世にいない魔女っこ役・ドラマや映画に登場する超能力者、どうせいないんだ
いないのに、いないのに、ウソをついてる。女優なんてなんて空虚な仕事だろう
スミレは脱力した。何もする気になれない、仕事もキャンセルし 学校も休み
マンションの自室に閉じこもった。今まで自分が演じてきた様々なキャラクターが
暗闇の中に埋もれていく。マネージャーやファンからの励ましもスミレの心に
届かない、部屋に閉じこもり1週間がすぎようとしていた。
マネージャーが今日もスミレのご機嫌を伺いに来る
マネージャー「スミレちゃん 早く元気出して!こんな事じゃマァちゃんに
笑われちゃうわよ」
スミレ「帰って!!」
スミレ「マァちゃん… マァちゃん… ごめんね、ごめんね、助けられなくて」
テレビも新聞も学校も、仕事も、全てからスミレは遠ざかった。そんな時
マネージャーから連絡を受けたらしいスミレママからエアメールが届いた。
スミレ「ママ…」
沢山 来るファンレターの中から唯一 スミレはその封筒を開けた。ママからの
手紙には不思議な事が書かれている。
スミレママ「あなたの望んだスーパーヒーローは、ホントにいるのね」
スミレ「え?」
手紙の中に新聞の切り抜きが入っている。新聞の見出しに「スーパーヒーロー
登場!」新聞の記事を読むと、こんな事が書かれている。
都内 朝日が丘小学校5年生の沢田ミチ子ちゃんは、誘拐され犯人に殺害されそうに
なった所をパーマンと名のる少年に助けられた。この少年の素性は不明。
また、違う新聞の切り抜きには、飛行機が炎上落下する所をパーマンとサル?の
パーマンが無事軟着陸させた。川の中州に取り残された釣り人を救出。といずれも
自分と同じ年頃の少年スーパーヒーローが青いマスクと赤いマント姿で勇敢に
人々を救出している姿が克明に写真に映し出されている。マネージャーの声が
ドアの向こうから聞こえてくる。
マネージャー「スミレちゃん… お夕飯ここにおくわよ」
スミレは勢いよくドアを開けるとマネージャーに問いただす
スミレ「マネージャー!ホントに、ホントにパーマンはいるの!?」
マネージャー「パーマン??ああ、最近 現れた少年スーパーヒーローの事」
スミレ「ホントに!ホントにいるのね!」
マネージャー「ええ、そう確か2.3日前から現れて事故や火事や事件を解決して
名前も住所も言わずに飛んで行っちゃうのよ」
スミレ「ホントに!ホントにいるのね!!スーパーヒーローはホントにいるのね!!
わーい わーい!!」
スミレは踊りながら叫んだ。スミレは心からパーマンの登場を喜んだ。
すっかり元気になり今日もコンサートをパワフルに好演した。スミレがコンサートで
熱唱している間にもパーマンは火事で助けを求める人の命を救ったらしい。
スミレはパーマンにあこがれた。
スミレ「どんな男の子なのかしら?きっとステキな子よね」
スミレのあこがれはいつしか自分も彼と一緒に活躍したいという希望に変わってい
った。毎晩 夜眠る前にベランダから見える星に願いをかけた。
スミレ「お星様お願い、私をパーマンにして、私パーマン1号のお手伝いがしたいの…」
バードマンはスミレの声を聞き逃さなかった。すぐさまテレポートで円盤ごと彼女の
前に現れると、赤いマスクと緑のマント、バッジを彼女に渡す。
バードマン「星野スミレくん、君をパーマン3号に任命する」
目の前に現れた円盤とバードマン、そしてパーマンセット スミレは唖然としたが
すぐにパーマンセットを受け取る。
スミレ「はい!私 きっと立派なパーマンになります」
バードマン「ああ、、、申し遅れた。私の名前はバードマン バード星から来た
スーパーヒーローだ、このパーマンセットはバードマンの力にはほど遠いいが
このマスクを付けると6600倍の力が出せる。それからこのマントは空を飛べる
バッジはパーマン同士の連絡をとるトランシーバーで、口にくわえると酸素ボンベに
もなる、それからパーマンの正体は誰にも秘密だ」
スミレはさっそくパー着すると、マントでふわりと上空に浮かんでみる。
バードマン「どうだい?気分は」
スミレ「ええ、なんだか体中に力が沸いて来るみたい」
バードマン「うん、うん そうだろう」
満足げに微笑むバードマン、だかふと真顔になると言う
バードマン「おっと、いけない大事な物を忘れるとこだった」
とピンクののっぺらぼうなロボットをスミレに渡すと付け加える
バードマン「これはコピーロボットといって君がパーマンとして活躍している間
このロボットが君の身代わりになってくれる」
スミレはベランダに降りるとロボットの鼻を押す みるみる自分の姿に変わる
ロボットを見て驚く
スミレコピー「はじめまして」
にっこり挨拶をするコピースミレに笑顔で答えるスミレ
バードマン「今夜はもう おそい明日 パーマン1号と2号にあいさつするといい」
スミレ「ええ そうします あの、バードマン」
バードマン「なんだ?」
スミレ「パーマン1号ってどんな子なの? やっぱりカッコよくて優しくて女の子に
やさしいのかしら?」
バードマンは返事に窮してしまう、決して1号は、須羽ミツ夫はそんなカッコイイ子
ではない、でも、ここでパーマンの印象を悪くするわけにはいかない
バードマン「うん、、、まぁ 会ってみれば分かるさ」
1号「べーだ」
3号「いーだ」
1号「なんだいお転婆パー子」
3号「なによ!鈍感」
そう言って1号と別れて空を飛ぶパー子、会ってそうそうケンカした。自分の想像
していたスーパーヒーロー パーマン1号とはほど遠い1号 自分にパー子なんて
変なあだ名までつけて、、、、
でも、スミレにはそれがとても新鮮だった。星野スミレその、名前と顔は彼女が
どこで何をしていてもついて回る、その名前と顔だけで男の子達は自分に必要以上に
やさしくしてくれる。スミレは別にそんなこと望んでなどいない、普通の女の子と
して男の子とも女の子とも遊びたいだけ、スミレはパー子になって初めて素のままの
自分と接してくれる男の子を見つけた。それが パーマン パーマン1号
須羽ミツ夫。ミツ夫と言う名の男の子。
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