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ペンダント


ミツ夫がバード星に来て3ヶ月がたとうとしていた。めまぐるしい環境の変化にも慣れ親しい友達も何人か出来た。そして留学してから初めての連休(地球の日数でいうと1週間)があと3日後に控えていた。
ミツ夫「もうすぐ休みだ!」
大きく手を伸ばして教室を出るミツ夫に後ろから級友が話しかけてくる、肌の浅黒いチビな少年で容姿がサブに似ている、性格はサブよりずっと男らしい 彼の名前は
ルシフォール「地球に帰るのかい?」
ミツ夫「え?ああ…どうしようかな」
腕を組んで考えているミツ夫 帰りたい気持ちはあるが、この連休中に苦手な科目を自主トレしようとも考えていた。
ルシフォール「あははは 無理しないで 帰れよ パー子さんに合いたいんだろ?」
背中をポンと叩く ルシフォールにミツ夫は手を振り上げて真っ赤になって怒る
ミツ夫「そ・そんなわけないだろ!」
ルシフォール「なに怒ってるんだい?君とパー子さんは将来を約束した間柄なんだろ?」
キョトンとしていうルシフォールに 赤くなったり 青くなったりしながら興奮しているミツ夫 わめきちらす。が何を言ってるのかまったくわからない。ルシフォール
は肩をすくめて謝る
ルシフォール「なんか気に入らないこと言ったんなら謝るよ」
ミツ夫はやっと冷静さを取り戻し謝る
ミツ夫「あ…ああ こっちこそゴメン」
ルシフォール「地球人の気持ちってよく分からないな パー子さんは君の大切な人なんだろ?」
ミツ夫「え…そんなこと」
又 真っ赤になるミツ夫を不思議そうに見ているルシフォール
ルシフォール「だって君はいつもパー子さんの事 話すじゃない 可愛くてお転婆で、とてもチャーミングな人なんだろ?」
まっすぐミツ夫を見て言うルシフォールに 閉口してしまう バード星で一番 ミツ夫を驚かせたのは、このアッケラカンとした恋愛観だ。男の子も女の子も(あの人が好き)というのを照れも、恥じらいもなく言ってのける 周りもそれについてまった
くとやかく言わない コレが地球だったら さんざんはやされ うまく行く物もうま
くいかないだろう ミツ夫はとまどいを隠せずにいると 級友のアルファが他の女の
子達とキャピキャピしながら通りかかる。
アルファ「あ、ミツ夫さん 貴方にお願いがあるの」
アルファはどこかミチ子に似たカワイイ女の子で、なんとパーヤンとつき合いたいと申し出ている その内パーヤンにそのむねを伝えなければと思っているのだが、なかなか連絡をとれずにいる。
アルファ「ミツ夫さんの所に次元移動装置があるでしょ それでコレを送って欲しいの」
とアルファの写真入りペンダントを渡す 次元移動装置は遠い星から留学して来たパ
ーマン達に預けられている装置で、ミツ夫も1台持っている 瞬間移動で小さな物を地
球から取り寄せたり逆にバード星から送る事が出来る 地球ではミツ夫のコピーがた
まにママの手作りケーキなどを送って来てくれたりしていた。
アルファ「このペンダントを持っていると 遠く離れていても心が通じ合うのよ」
と夢見る少女とでも言った所か 中空を見つめて一人うっとりしているアルファ ミツ夫がペンダントを見ていると ルシフォールがミツ夫に言う
ルシフォール「君もパー子さんに同じ物を送るといいよ」
ミツ夫「よせやい パー子になんかそんなの…」
憤慨して立ち去るミツ夫にルシフォールは首を傾げる
ルシフォール「ホントにわからないな 地球人の気持ちは」
ミツ夫は自室の次元移動装置のボタンをポンポン押しながら物思いに耽っていた。バード星に旅立つ直前 パー子は自分の正体を初めて開かした。バード星への道すがら
円盤の中でその姿がリピートされる まさかパー子がスミレだったなんて・・・驚き
とまどい そして パー子とスミレのギャップに悩んだ。そして気が付いた パー子
も自分と同じ悩みを抱えていたと言うこと パーマン1号と須羽ミツ夫のギャップは、
他ならぬパー子とスミレのそれと同じ事に、そして素顔を見せられない理由がまさに
それだったことに、次元移動装置はブ〜ンという音を立ててペンダントを分子レベルに分解し消滅していく、地球へ送られたのだ。

一方 地球ではコピーミツ夫が学校から帰って来ると机の引き出しに閉まってある次元移動装置を確かめる
コピー「なにか送ってきたんだな」
赤いランプが明滅しているのが着信の印だ そこへパー子がベランダから入ってくる
コピー「あ、パー子さん 久しぶり」
パー子「お久しぶりね」
ニッコリ笑って言うパー子 1号が旅立ってからパー子は前ほど頻繁に須羽家に出入りしなくなっていた。
パー子「あの、お水をいただけないかしら?もう、喉がカラカラで」
パー子はパーマン活動で少し疲れている様だ コピーは台所へかけおりるとジュースを持って来るとパー子は机の引き出しの中にある次元移動装置をのぞき込んでいる。
パー子「これが例の次元移動装置なの?」
コピー「うん あ、ちょうど今何か 送って来たみたいだよ」
そう言って中から品物を取りだす のぞき込むコピーとパー子。

ミツ夫が宿舎の廊下を歩いていると「ダース」が声をかける 背の高い顔立ちの整った優等生だ
ダース「やあ 今度の休みには地球に帰るのかい?」
ミツ夫「いや、まだ決めてないんだ」
ダース「え?だってパー子さんに会いに行けるチャンスじゃない なぜ帰還しな
い?」
また、パー子の話だ… どうしてこうも合う人 会う人にそう言われるんだろう 内心 愚痴るとダースは不思議そうに訪ねる 
ダース「だって君はいつもパー子さんの事 話すじゃない 君の大切な人なんだ
ろ?」
ミツ夫「ボク 今何も・・・あ、そっか君はエスパーなんだっけ」
ダース「わからないなぁ 地球人は 君とパー子さんは相思相愛なんだろ?」
ミツ夫「そ、そ〜し ソーアイ だなんて!!とっ とんでもない」
目を白黒させ 両手を上下に振り回すミツ夫に 眉をひそめて首を傾げるダース
ミツ夫はバード星に付いてから級友に地球の仲間の話をした。でもパー子と自分の事をそんな風に話した覚えはない。なのにどうしてこうもみんながみんな自分とパー子
の仲をそんな風に思うんだ?
ダース「もしかして、君は自分の気持ちにまだ気が付いてないの?」
あきれ顔でいうダースにミツ夫はムッとする なおかつあきれ顔になるダースは言う
ダース「まず、君は日に何度もパー子さんの話をする、しかもとっても楽しそうに、君の地球でのパーマン活動の話や、パー子さんとのやりとりを聞いていると仲がいい
のがよくわかる 君が彼女を 彼女が君を思っているのが手に取るようにわかるよ」
ミツ夫「そんなこと!ボクが好きなのはミッちゃんだい」
ダース「ミッちゃん?誰だい 初めて聞く名前だけど」
ミツ夫はハッとなる バード星に来てから沢田ミチ子の事をそういえば誰にも話していない アルファの姿を見てミチ子に似ているとは思っていたが、それ以上 ミッちゃんを思い出すことは無かった。まして級友に話すのは、みんながいう通り確かに
パー子の事ばかり・・・
ダース「鈍感な奴だと思ってたけど まさかそこまで鈍感だと思わなかったよ 今まで君は自分の気持ちに気が付いてなかったなんて… もしかしてパー子さんが君を思
っているのにも気が付いてないの!?」
ミツ夫はその言葉に真っ赤になると ダースがオーバーアクションで感嘆してみせる
ダース「あ〜あ・・・なんて事だ だったらボクにもチャンスがあったのに、君の話を聞いてボク パー子さんの事すっかり気に入っちゃってたのに…あ〜もう!!」
ダースが大げさに落胆しながら去っていく ミツ夫は今言われたことを繰り返し思う
ミツ夫(ボクがパー子を好きで、パー子がボクを好き・・・?)

その頃 地球でスミレはドラマの撮影の最中だった。喫茶店で痴話喧嘩をする彼女役スミレの今度の役を一言でいうなら「ヤキモチやきな女の子」遠距離恋愛で遠く離れ
た彼のことをスミレ演じるヒロインは信じきれないでいる「私のことなんか忘れてる
」「信じられない」「うそつき」そんな言葉がスミレの台本をうめつくしている、今
までのスミレの役の中では異例な為もあり、ドラマは好評放映中だ。

パトロール中のパー子のマントをひっぱる2号
パー子「なあに?ブービー」
2号が指さす所にはいつだったか1号と3人で入った甘味処屋がある 2人で入ると中
で痴話喧嘩をしている若いカップルがいる。なんとかは犬も喰わないとそれぞれ好き
な物を注文すると1号の軽口を言い合う2人
パー子「以前 ここに来たときブービーが1号におごってあげたのよね」
2号「ウィウィ」
女性「うそつき!信じられない」
そう言って女性が泣き出す 男性がオロオロとなぐさめる パー子は自分のドラマのシーンを思い出す。ヤキモチやきなヒロインをパー子は自分の鏡のように思ってい
た。よくミチ子のことでヤキモチをやいたものだ。でも、こうしてハタから見ている
となんとも男性が可哀想。
男性「信じてくれよ、ボクは君以外に好きな人はいないんだから」
女性「うそ うそ・・・さっきだって他の女の子の事見てたわ」
男性「だってそりゃあ… 注文する時にウェイトレスの顔くらい見るさ」
そういう男性と目が合うパー子 あわてて目をそらすが、女性がまたもヒステリック
に叫ぶ
女性「また!あ〜ん 私と一緒にいるのに〜」
どうやら彼女のヤキモチやきは相当のものらしい パーヤンからの呼び出しで、急遽その場を離れるパー子とブービー パーマン活動は1号がいなくなってからも 相変わ
らず忙しい。たまに1号の事を思い出す。そばにいるとドジさかげんに目がつくが、い
ざいなくなると結構 彼を頼りにしていたことを痛感する。パーヤンが気にして関東
方面に来てくれてはいるが、関西方面を一人で切り盛りしている彼をそうそう呼び出
すわけにはいかない。

ドラマの撮影は順調に進み、クライマックスは寛大なヒーローが彼女のヤキモチをフォローして、やっと素直に甘えられるヒロイン ハッピーエンドだ。パトロール中に
今度はパー子がブービーを例の甘味処に誘う この間の男性が男友達と話している。
男友達「彼女とわかれたんだって?」
男性「ああ…ボクの事 信じてくれないんだ だから…これ以上一緒にいられないと思って」
男性の表情から悲しみが伝わる、現実はドラマのようにうまく行かない。

一方 ミツ夫は連休中も結局 帰還せずに補習授業や図書館巡りなどをしていた。授業云々より バード星のモラルや、一般常識にミツ夫はとまどっていた。恋愛観を初
め、差別とか、悪人への考えなど、何かと地球とは違うことが多い、ミツ夫は連休中
少しでもバード星の空気になじみたかった。そのミツ夫にアルファから連絡が入る
彼女はプロキシマ星出身のお嬢様で連休中 実家に帰っているのだ。
アルファ「やっぱり帰らなかったのね」
ミツ夫「うん、なんか用?」
アルファ「この間 ペンダントを送ってもらったお礼にコレを差し上げるわ」
移動装置の中にパールブルーとパールピンクの小さなモバイルが送られてくる
ミツ夫「何?これ」
次元移動装置から須羽家のコピーの元へ送られてくるパールピンクのモバイルを見てコピーは声を上げる
コピー「へぇ〜 ミツ夫くんお金持ちの友達が出来たんだな」
コピーはそのモバイルが高価な物だというのを知っていた、バード星では他の星の人との連絡を個人レベルで行える科学力を持っていた。ただしまだ未完全で、まして地
球の様な辺境の惑星に連絡出来るのはせいぜい3分程度だろう。
次元移動装置に記憶交換用のバンド(コピーとミツ夫の記憶を交換するための物で1週間に1回の割合で送り合っている)を送るコピー
コピーはミツ夫から送られてきた記憶交換バンドを頭に巻く
ミツ夫「やぁ コピー元気でやってるか?こっちは相変わらずめまぐるしい毎日だ ところで今回送ったモバイルだけどパー子にわたしてくれないか? えっと…」
ミツ夫は少し言葉を切って 付け加えるように言う
ミツ夫「それで3分くらいはおたがい連絡がとれるらしいんだ。もとリーダーとしてパー子にいろいろ注意したい事とかあるし・・・コピーとは記憶交換バンドがあるから
いいけどさ」
コピーは苦笑する まったく素直じゃない それにしてもこの間のペンダントはなんだったんだろう?

ミツ夫もコピーからの記憶交換バンドを頭に巻く 相変わらずの生活のようだ。
コピー「そうそう、この間パー子さんが来てね…」
ペンダントをのぞき込んでいるパー子の顔 コピーの目から見た物が映像として頭の中に流れ込む
コピー「あのペンダントどうすればいいの?」
ミツ夫(パ・パー子があのペンダントを見た!?)
鈍いミツ夫にもその事態が容易に理解できる ミチ子に似たカワイイ女の子の写真入りペンダント それを見たパー子がその後、どんな行動に出るか 想像するにたやす
かった、以前ミチ子のことでさんざん パー子はヤキモチをやきまくっていた。
今 こうして離れていてなおかつそんな物を見たら・・・ぞ〜っとするミツ夫 だがハタと気が付く
ミツ夫「なんでボク 心配しなきゃいけないんだ? ボクは別にパー子の事なんか…」
わざと口に出して彼女のことを思ってない そう言ってみる だが自分でもその言葉
が空々しく思える

コピーはブービーにパー子を呼んでもらう ブービーは1号なき後も頻繁に須羽家に出入りしていたから 捕まえるのは簡単だ。パー子が来るまでコピーはブービーにミツ
夫の話をする モバイルをパー子に渡してくれと言われた事を2号に言うとブービーもコピーと同じ感想らしい
コピー「ミツ夫くんは相変わらず 素直じゃないよね」
2号「ウイウイ」
パー子が到着するとコピーはミツ夫に言われたとおりに 「パーマンもとリーダーとして注意があるからこれを持ってろ」と言われたとモバイルを渡す パー子は憤慨す
るかと思われたが パールピンクのモバイルを胸に抱きしめるように持つ
パー子「そう・・ありがとう」
コピー「あの、使い方は・・・」
コピーは使い方をパー子に教える 手の平にのる大きさのモバイルの蓋をあけボタンを押すと15インチのモニターがニューっと広がる この画面に通信相手の顔や様子が
映ることになっている 試しに通信してみるが何も写らない 何度もアクセスしてみるがいっこうに通信出来そうにない
コピー「おかしいな〜・・・もしかしてこっちからは通信出来ないのかな?」
パー子「ええ?じゃあ 一方通行じゃない」
コピー「う〜ん 地球はまだ宇宙へ通信するためのアンテナがないからね〜」
ブービー「ウッキャ?」
パー子「そうよね、これじゃあミツ夫さんも通信出来ないかもね」
そう言いながらポケットの中にモバイルをしまうパー子
パー子はブービーと銀行強盗をつかまえ、夜には暴走族を一網打尽にする。相変わらず本当に忙しい。

ミツ夫は自室でバード星の歴史の本を読んでいたが ふと窓からの月明かりに目を奪われてベランダに出てみる。まわりを湖に囲まれた静かな寄宿舎 満月がふんわりと
灯りを落としている


ミツ夫「きれいなお月様だな〜」
丸い月を見上げてパー子の事を思い出すミツ夫 パー子がミチ子にヤキモチをやいて起こした数々の騒動 思い出すとなんだかくすぐったい それだけ自分は彼女に思わ
れていたのだ。そう思うとなんだかむしょうに嬉しい。でも、だとしたら…ミツ夫は
やっと自分の気持ちに素直になった。
その頃 パー子は事件を解決して自宅マンションの屋上に降り立つ ふりかえると
満月がふんわりと辺たりを照らしている 月を見上げて思うミツ夫の顔
パー子「ミツ夫さん…」
パー子は自室にもどると机の上にモバイルを置く 連絡がとれないにしても「コレを持っていろ」というミツ夫の気持ちがうれしかった。例え コピーの言うとおり
「もとリーダーとして注意」があるにしても それならそれでうれしかった。
今までさんざん1号を、ミツ夫をドジだ、鈍感だ とけなしていたけど 離れてみて初めて彼を頼りに思っていた事を、自分が彼に素直じゃなかった事を実感する もっと
素直になれば良かった。
ミツ夫は思い切ったようにパールブルーのモバイルの蓋を開く15インチモニターがニューっと伸びてジジジッツと濁った音を立て始める 唇をかみしめてそのモニターの
ノイズを見つめる ミツ夫は決心していた 一言彼女に伝えようたった一言 3分もあ
れば十分な一言を。ピピピ 小鳥がさえずるような小さな音を立ててパールピンクのモバイルが着信を知らせる パー子はマスクをはずしマントをとろうとしたところ
だったが、あわててモバイルの蓋をあける モニターにノイズと共に見慣れない制服
を着ているミツ夫の顔が写る。
パー子「ミツ夫さん!」
ミツ夫「あ、パー子」
パー子というよりスミレといった方がいいのだろうか?マントをつけたスミレがモニターに写る バード星への旅立ちの間際に見たのと同じ姿のパー子がいる ミツ夫は
そのとたんドギマギし出す 同時にペンダントの事も思い出し 今 言おうと思った
一言が頭から遠ざかる パー子は…スミレは月明かりに照らされて一段とキレイだ。
こんな綺麗な女の子に今まで思われていて気が付かなかったなんて、なんてもったい
ないことをしたんだろう。
パー子は見慣れない制服に身をまとったミツ夫が本当に遠い世界に行ってしまったのだと改めて思う 心なしか3ヶ月前に別れた時より大人びて見える 沈黙が2人の間を
通過する その間にも3分という時間はせまりつつある ノイズが激しくなり おたが
いの姿が消えかかる ミツ夫はあわてて言おうと思った言葉を伝えようとするが、緊張して声が出ない。パー子の、スミレの姿がどんどん消えていく
パー子「あの…ミツ夫さん 私 信じてるから…ミツ夫さんのこと信じてるから」
消えていくパー子の姿 叫ぶように言うパー子の声がミツ夫の耳にはっきり聞こえる
ミツ夫「パー子…」


「信じてる」ミツ夫の心に深く静かに広がる暖かい何か、ミツ夫はバード星のカレンダーを見て思い立ったように円盤に乗る 休みはあと2日だ 飛ばしていけばなんとか
地球に行って帰ってこれる。
パー子は 我に返る 唐突に「信じてる」なんて変だったかな? 1号 ミツ夫はいったい何を伝えたかったんだろう。

翌日 パー子はパーヤンとブービーの3人で人気のない海辺にいた 今夜ここで密輸団の取引が行われるのだ。
パーヤン「1号はんがいなくなって 初めての大仕事や みんな気張っていこか」
パー子「ええ!」
2号「ウイ!」
密輸団の組織が満月の夜 人気のない海辺で銃とお金を交換し始める パーマン達はいっきにそれを取り押さえに入る。
その頃 1号はやっと地球に到着する 昨日の夜 円盤を飛ばして来たのだが丸1日かかってしまう 帰りの事を思うと気が重い ミツ夫は須羽家の自室に入るとコピーが
目を丸くして驚く
コピー「ミツ夫くん!今度の休みは帰らないんじゃなかったの?」
ミツ夫「やあ、コピー あの、パー子…みんなは今 どこにいるか知らないか?」
コピー「今 由比ヶ浜にいるよ 密輸団を捕まえるんだって」
ミツ夫「そっか 相変わらず忙しいんだな」
ミツ夫はパー子にペンダントの事を話し 言いそびれた言葉を直接言いにわざわざ来たのだが コピーにはまだ知られたくなかった。でもコピーにはなんとなく察しが
ついていた なんせコピーはミツ夫のコピーなのだから
コピー「あのさ、ミツ夫くん このペンダントだけど どうすればいいの?」
コピーは引き出しの中からペンダントを取りだすとミツ夫に渡す ミツ夫はペンダントを見て驚く 中に入っていたはずのアルファの写真がない ペンダントは送ったま
まの美しいフォルムを残しているのに 今までそんな変な事はなかった送った物が
紛失したり、変形するなんてあるだろうか?
ミツ夫「中の写真は?」
コピー「写真?そんなのなかったよ… あ、そっか写真が入ってたんだ 写真みたいな二次元的なものを同時に送る時はここを押さないとダメなんだよ バードマン また 教えてなかったんだね」
次元移動装置を取り出し コピーは説明する この装置の難点とでもいうのか、立体の物を送るために作られた装置なので、平面的な物を送る時は逆にちょっと設定を変
えなければいけないのだという
ミツ夫「なんだ… そうか…」
気が抜けるミツ夫 じゃあパー子はアルファの写真を見てないんじゃないか へたり込むミツ夫の肩に手を置くコピー
コピー「ね、これに君の写真を入れてパー子さんに持っててもらいなよ」
アルバムの中から出発間際にとったミツ夫の写真を取りだすコピー
ミツ夫「そんなこと」
口をとがらすミツ夫にコピーはいい加減あきれ顔でいう
コピー「ボクは君のコピーだよ 君の気持ちは自分の事みたいにわかるんだから」
ミツ夫はそう言われてペンダントと写真を受け取る 確かにコピーに意地を張っても仕方ない ましてわざわざバード星から地球まで来たのは 意地を張りに来たんじゃ
ない 素直にパー子に一言 言う為に来たのだ。

パーマン達は無事に密輸団を警察に引き渡し それぞれ帰路につくところだった。
パーヤン「じゃ おつかれさん」
2号「ウッキ!」
パー子「お疲れさま」
一仕事終えた後の充実感 安堵感は何度 経験してもいいものだ 先に帰路につくパーヤンとブービーの背中を見送る
パー子「人気のない海ってステキ」
少し散歩して帰ろう、砂浜を一人歩くパー子 月灯りがふんわりと落ちてくる
パー子「どうしよう…こんなに、こんなにミツ夫さんが恋しいなんて…ね」
繰り返す波を見つめ せつない言葉だけが何度も心に繰り返す 
1号はペンダントを持って由比ヶ浜に向かっていた 海辺にパー子の姿を発見するとまっすぐ彼女の方へ降り立つ
1号「パー子」
振り返るパー子が涙目になっているのに1号は驚く あわてて涙をぬぐうパー子
パー子「み・ミツ夫さん…1号?」
1号「パー子 なにかあったのかい?」
やさしく聞く1号の声 パー子は自分の目と耳を疑う もしかして幻覚でも見てるんじゃないだろうか?
パー子「ホントにミツ夫さん?」
パー子は1号のほっぺたをつねる
1号「いててて!なにすんだい」
パー子「本物だわ」
1号「お〜 イテ〜、まったく相変わらずだな 君は」
頬をさすりながら言う1号を見て 笑うパー子 その顔につられて笑う1号
パー子「どうしたの?バード星から逃げ出してきたんじゃないでしょうね」
1号「バカ言うな!ボクはバード星でちゃんと勉強してるよ 今回だって連休だったんだけど、ずっと勉強してたし」
パー子「じゃあ、どうしたの?」
1号はポケットの中からペンダントを取りだすと、うつむきながらパー子に渡す 中には自分の写真が入っている。なんとも照れくさい。パー子はそれを見ると顔を輝かせ
る この間のペンダントだ。
パー子「これを私に?」
1号「うん」
パー子「ありがとう、大切にするわ」
そういって両手でペンダントを握りしめる 1号は頭をマスクの上からかきながら月を
見ながらいう
1号「それを、ボクが帰ってくるまで持ってて欲しいんだ あの… きっとボクはバードマンになって帰ってくるから だから、それまで待ってて欲しいんだ」
パー子は月を見上げている1号の横顔をじっと見つめる
パー子「待ってるわ ミツ夫さん 5年でも 10年でも…」
1号「そんなにかからないよ!」
憤慨する1号 パー子の方を見て赤くなる 屈託のない笑顔を見せるパー子を見て1号は改めて思う
1号(ボクはパー子が好きなんだ)

休暇が終わり教室に入るミツ夫を見てアルファが近づく
アルファ「ミツ夫さん この間差し上げたモバイルなんだけど、あれ初期不良が発見されて使い物にならないらしいの、今度ちゃんとしたのを差し上げるわ」
ミツ夫「え… あ、いいよ、いらないよ 実は君のペンダントの事なんだけど」
設定を間違えて写真が届かなかった事を言うとアルファは頬を膨らませるが、すぐに機嫌を取り直す
アルファ「仕方ないわね、それに挨拶もしてないのにパーヤンさんに写真を送るのなんて考えてみると おかしいもの、今回の事はお互い様ね」
ミツ夫「あの、ペンダントは新しいの買って返すよ」
アルファ「いいのよ それより早く私の事パーヤンさんに紹介して」
ミツ夫「うん、今度必ず 地球に帰還した時にでも」

次元移動装置がブ〜ンという音を立ててコピー宅からミツ夫の元に1枚の写真が送られる 最近撮ったパー子の写真だ。
コピーはパー子に聞く
コピー「どうして素顔の写真にしないの?」
パー子「いいのよ、パー子の写真で」
ミツ夫は次元移動装置から送られてきたパー子の写真を机の上に飾る
ミツ夫「ボクの好きなのはパー子なんだ」
写真を見ながら独り言を言うミツ夫。

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