日曜の朝早く 撮影所内にある倉庫、パーマン達は事故の後かたづけに追われている
大小の荷物が散乱しているのを積み直しているのだ。
パー子「も〜 1号ったらどこいっちゃったのかしら?」
2号「ウッキ〜-.-#」
パーヤン「そうやなぁ 1号はんのことやからなぁ」
パー子「んまぁ!星野スミレにサインを貰いにロケ現場の方に行ったんじゃないか
ですって!」
と、こちらは1号 ふらふらとサイン色紙を片手に撮影所内を上空から星野スミレの
姿を探していた。
1号「えへへ〜 せっかく来たんだからスミレちゃんに合わなきゃソンだよなぁ」
一人 パーマン活動をサボっているのをバードマンが円盤のモニターで見ている
バードマン「む〜!1号め たるんでるにも程がある すこしお仕置きをせねば」
1号の前にテレポートで現れるバードマン
1号「わっ!バードマン」
バードマン「1号!いったい何をしてるんだ 他のパーマン達はみな ちゃんと
仕事をしているのに」
1号「いいじゃない バードマン たまにはサボったって」
バードマン「うぬ〜〜!!この上 反省の色がみえんとは!もう勘弁ならん これだ」
1号「わぁ!動物変身銃」
動物変身銃から光が発せられ1号は 猫になってしまう。ダンボールの上に
ちょこんとのっかった1号は胸にバッジをつけ マスクとマントがちかくに落ちる
バードマン「私が今度 地球に来た時までに反省していないようだったら、君は
一生 その姿でいることにしたまえ」
猫(ミツ夫)「ひどいや ひどいや〜 バードマンのばか〜」
消えていくバードマンに叫ぶが はたからは猫がニャー ニャー言っているだけに
しか聞こえない。と、そこにパー子が空から降り立つ
猫(ミツ夫)「あ、パー子だ こんな所を見られちゃ何をいわれるか・・・」
物陰に隠れる猫(ミツ夫)
パー子「まったく1号ったら どこ行っちゃったのかしら?」
キョロキョロ辺りを見回し 人影がないのを確認するとマスクを外しスミレの姿に
もどる、ミツ夫はそれを見てびっくり!
猫(ミツ夫)「フギャァァ〜〜!」
スミレはその猫を見る
スミレ「なんだ、猫か・・・え!?」
逆毛を立てて驚いている猫の姿を見て スミレは驚く 胸には1号のバッジ 猫の
近くにはマスクとマントよくよく猫の顔を見るとミツ夫の前髪のハネがかすかに
残っている
スミレ「ま。まさか・・・ミツ夫さん!?」
猫を指さして驚くスミレ 猫(ミツ夫)も相変わらず逆毛を立てて驚いている
猫(ミツ夫)「ま・まさかパー子が スミレちゃんだったなんて・・・」
落胆するミツ夫とスミレ スミレはその場に座り込んでしまう
スミレ「なんて・なんて事・・・」
猫(ミツ夫)「ああ・・・猫にはされちゃうし、、、あのパー子がスミレちゃんだっ
たなんて・・・」
落胆している猫(ミツ夫)を抱きかかえるスミレ

スミレ「いったい何があったの?誰に姿を見られたの?」
猫(ミツ夫)はスミレに抱かれてちょっといい気分。
猫(ミツ夫)「いや、それがその・・・」
と説明したくともスミレにはにゃーにゃーとしか聞こえない。そのスミレをマネージャーが呼ぶ
マネージャー「スミレちゃーん 何処行ったの?」
スミレ「あ、はーい ここよ」
この撮影所で今 撮影中なのだ。スミレは猫(ミツ夫)の顔を見るとそのまま
抱きかかえてマネージャーの元へ走っていく このまま猫(ミツ夫)を放っておく
訳にはいかない
マネージャー「なぁに その汚い猫」
スミレ「ミツ夫さん、、、あ、いえこの猫 ロング(スミレの愛犬で、今は親元に
預けてある)の代わりに飼おうかと思って」
マネージャー「寂しいのね、でもなにもそんな汚い猫じゃなくても」
スミレ「いいの、私この猫 気に入っちゃったの」
とぎゅっと抱きしめる 猫(ミツ夫)は目を白黒させている
猫(ミツ夫)「猫になるのも悪くないかな?」
その日は一日 スミレと行動を共にする。ドラマの撮影・ファンのサイン会
テレビのCM撮り、仕事の合間にスミレは学校の宿題をやったりしている。
猫になったミツ夫は、そんな彼女をただ茫然と眺めていた。
猫(ミツ夫)「スミレちゃんが・・・パー子だったなんて、まだ信じられないや」
スミレ「え?なぁに?」
ニャーニャーとしか聞こえない、マスクを付ければ翻訳機能で猫になったミツ夫と
会話出来るだろうが、こんな所でパー着してはマズイ。
やっと仕事が終わって自宅マンションに付いたのは、夜10時を回っていた。
マスクをつけパー子になったスミレは(猫)ミツ夫に事情を聞くと、あきれかえる
パー子「まぁ!それじゃあ 仕方ないわね」
猫(ミツ夫)「そんな言い方ないだろ!」
パー子「だって、あなたが悪いんじゃない」
猫(ミツ夫)「う・・・そうだけどさぁ」
パー子「ま、当分 猫のままでいなさい。バードマンが来るまでの辛抱よ」
猫(ミツ夫)「チェッ やっぱりパー子だな あ〜あ スミレちゃんが
パー子だったなんてガッカリ」
そう言われて、パー子は言葉につまる。そう、とうとうバレちゃったんだ。
よりによって、こんな姿になったミツ夫に見られてしまうなんて、、、
猫(ミツ夫)「パー子 あ、あのスミレちゃん コピーやみんなにこのことを言わな
いでくれないかい?」
パー子「え?どうして、これから貴方の家に連れて行こうと思ってたのに、事情を
話さないとコピーもみんなも心配するわ」
猫(ミツ夫)「格好悪くてこんな姿 見せられないよ、それに もしこの事を
黙っててくれたらパー子の正体をみんなに話さないからさ な、頼む!」
パー子「私の正体・・・」
(貴方に一番 知られたくなかったのよ、だから今更 どうでもいいのに・・・)
猫(ミツ夫)が前足を拝むように合わせているのをボンヤリ見ながら思うがパー子は
うなずく
パー子「わかったわ」
須羽家に戻れない猫になったミツ夫は必然的に事情を知っているスミレの飼い猫と
いう事で、しばらくの間 同居する事になる。
毎日 学校や、スミレとしての仕事 そしてパーマン活動に追われるパー子をよそに
猫(ミツ夫)は三食昼寝付きを楽しんでいた。
猫(ミツ夫)「あ〜あ、、、猫ってのは案外 いいもんだな」
ベットの上で丸くなりながら、仕事の待ち時間 宿題をしているスミレを眺める
ミツ夫「スミレちゃん・・・やっぱり可愛いなぁ」
彼女の横顔を見ながら、パー子とのギャップに思いをはせる。しとやかで優等生な
スミレと、破天荒でお転婆なパー子 目の前で何回もその変身を目の当たりして
いながら今だにミツ夫はこの2人がイコールで結べない。ただ、星野スミレは
子供でありながら大人社会でいっぱしにやっている、孤独と戦い、仕事の厳しさに
耐え、少し背伸びをしている様に感じられた。少し無理をしている様に、だから
パー子になった時にもしかしてあんなにお転婆なのかもしれない、パー子のお転婆
ぶりはそれでも目に余るのは確かだが・・・
あくびをする猫(ミツ夫)とスミレに耳なじみのパーマンバッジの呼び出し音
スミレはコピーの鼻を押しパー着すると飛び出していく
猫(ミツ夫)の首にはスカーフ代わりにマントがまいてあり、胸にはバッジがある
いつもなら自分も事故現場に急行して、多くの人々の命を救うべく飛び出している
が、この姿ではなにも出来ない。
三食昼寝付き しかもあこがれの美少女アイドルの飼い猫 ああ、なんて居心地が
いいんだろう そう思いながらふて寝を決め込むミツ夫 何度となくそんな事が
繰り返された。今までだって何回もパーマンなんてやってられない・ナンの得にも
ならない、須羽ミツ夫として感謝されない。それでもパーマンになって辛い思いを
して来た。どうしてか分からない ただ、パーマンの力を正義の為に使いたい
ただ、それだけの為に でも、今の自分には何も出来ない。猫のままでは・・・
夜遅くにフラフラになってパー子が帰ってくる。ベランダに降り立ちマスクとマント
をはずしへたりこむ、 パーマロゲンの副作用、パーマン活動で活躍すればするだけ
パー着をといた後どっと疲れが出る。コピースミレがかけよる
猫(ミツ夫)も彼女の方へと走り寄る
コピースミレ「大丈夫?」
猫(ミツ夫)「パー子」
パー子「大丈夫よ」
強がるパー子、テレビのニュースでここ最近の犯罪・事故・災害のひどさと同時に
パーマン達の活躍のめざましさが流れている。中でもパー子は1号の分もと張り切って
いるのが、誰の目にも明らかだった。
猫(ミツ夫)「パー子・・・」
上空を飛んでいるパー子をコピーミツ夫が呼び止める
コピーミツ夫「パー子さん ミツ夫くんの事 本当に知らないの?」
パー子「知らないわよ!もう みんなどうして私に聞くの!?」
ミツ夫が猫になって以来、何故かパーヤンやブービー そしてコピーミツ夫に
彼の行方を聞かれまくっているパー子が苦しげに返事をする。
ブービーやコピーミツ夫は ヒステリックに「知らない!」と言えばそれ以上
問われないですむが、問題はパーヤン 彼はそんな見え透いた手にはなかなか
乗ってくれない。
パーヤン「じゃ、バードマンはんを呼んで1号はんを探して貰おうやないか?」
パー子「え、あ、あのバードマンを呼ぶのは良いけど、、、あの1号はきっと
バードマンに一人で会いたいかも・・・」
パーヤン「なんでや?」
パー子「いえ、あの、そんな気がして」
苦しい言い訳に頭の切れるパーヤンが納得するわけがない。もう!これもみんな
ミツ夫さんの勢 そして自分の正体を彼に見られてしまった勢。
パー子は自宅マンション屋上にバードマンを呼び出すとミツ夫を元の姿にもどして
くれるよう懇願する。パー子の足下でちんまり座っている猫(ミツ夫)を見てバード
マンがつれなく言い放つ
バードマン「3号の気持ちはわからないでもないが、1号はまだ反省がたりないみたいだな」
猫(ミツ夫)「ええ!そんな事ないよ バードマン」
バードマン「じゃあ、どうして今まで一度もパー着して事件現場に駆けつけない?」
猫(ミツ夫)「だって、こんな姿じゃ」
パー子「そうよ、猫のままじゃ 何も出来ないわ」
バードマン「確か 地球のことわざに猫の手も借りたいってのがあるな、最近の
パーマン活動はまさにその通りじゃなかったか?」
パー子「え、ええ、、、それは、、、でも!」
バードマン「駄目だ! 須羽ミツ夫 君は一生 猫の姿でいたまえ」
テレポートで消えてしまうバードマン
パー子「そ、そんなぁ」
猫(ミツ夫)「もういいよ!」
すっかりスネてベットで丸くなって寝ている猫(ミツ夫)の背中を見ているパー子
パー子(ミツ夫さん・・・でも、どうしてバードマンは1号のパーマンセットを
持って行かなかったのかしら?)
猫(ミツ夫)「いいさ!このまま猫だって、人間に戻れなくたって
パーマンじゃなくたって!」
猫(ミツ夫)はそう何度も自分に言い聞かせると 又ふて寝してしまう。
どれだけの時間がたっただろう、耳元で又 パーマンバッジの鳴り響く音
バッジの中からパーヤンやブービーのせっぱ詰まった呼びかけが響く
パーヤン「パー子はん!パー子はん!!」
ブービー「ウッキャァ〜!ウキャァ〜」
2人の声の間から豪雨と風の音が聞こえてくる。パー子に何かあったらしい
猫(ミツ夫)は首に巻いたマントをくわえ広げるとなんとかパー着する。
パーヤン「ああ、、、こんな時に1号はんがいてくれたら・・・」
パーヤンのいつにない心細い台詞、事態は緊急を要しているのが分かる。
ブービー「ウッホ ウッホ」
パーヤン「そやな!もしかして1号はんも聞いてるかもしれん」
パーヤンはバッジに向かって話しかける、瀬戸内海で嵐に巻き込まれた船を
救出中 パー子のみが強風にあおられ行方不明 船は2号と4号の力で無事に港に
たどりついたものの、パー子は行方不明のまま バッジの応答もない。
猫(1号)はパーヤンのバッジからの情報に耳をそばだて 嵐で一寸先も
見えない瀬戸内海に向かっていた。猫のままでは、この姿では何も出来ない
そう、何も出来ないかも知れない。でも、行かずはいられない。この
マスクとマントがある限り、大事な仲間を、パー子を見捨てるわけにはいかない
荒海の上空 冷たい雨が猫(1号)の身体に容赦なく突き刺さる
人間の姿でもこの風雨は耐えられないだろうが、小さな猫 今の1号には
息をするのもつらい、バッジを加え酸素ボンベにするが風に吹き飛ばされ思うように
進まない、パー子はもとより パーヤンやブービーを探す事も出来ない
そんな時 小さな岩のはしに赤いマスクが視線をかすめる
猫(1号)(パー子!)
彼女の方にたどり着こうと風雨と必死に闘い たどり着いたその時、ズルズルと
海の中に引き込まれ沈んでいってしまうパー子
猫(1号)「パー子!!」
岩の上で一瞬 立ち止まる猫(1号)いくらパーマンでも猫が海に飛び込むなんて
命取りだ。冗談じゃない、誰が自分の命をかえりみず他人を助けるもんか!そんな
言葉が一瞬 脳裏をかすめる が、次の瞬間 海に飛び込む1号
ゴボゴボゴボ ブクブクブク。o○ 耳の中に水が入る音、後少し、あと少しで
パー子に手がとどく・・・気が遠のく、意識がなくなる 真っ暗な水の中に沈んで
行く。
1号が目を覚ました時 夜空には星が瞬いていた。
1号(ここは?ボク もしかして死んじゃったのかな?)
1号「あ、バードマン」
1号の前にバードマンが満足そうに微笑みかけている
バードマン「1号 よくやった」
1号「あ、ぱ。パー子は?」
あわてて見渡すと パー子が隣に横たわっている。そのすぐ側にパーヤンとブービー
3人とも身動き一つしない
1号「パー子!パーヤン ブービー!みんな みんな大丈夫か!?」
一人一人 揺り動かす1号をバードマンはまたもにこやかに見ている
バードマン「みんな気絶しているだけだ。あの嵐の中 3号を探して2号も4号も
強風に飛ばされて海に沈んで危ない所だったがな」
1号「そうか・・・よかった・・・あ!?」
1号は初めて自分の手を見て人間に戻っているのを知る
バードマン「あはは やっと気が付いたか、もうお仕置きは終わりだ。君の仲間を
思う勇気に免じて今回だけは多めにみてやる これからもパーマン1号として活躍
してくれたまえ」
そういって円盤に乗り込むバードマン 彼を呼び止める1号
1号「まってよ バードマン」
バードマン「なんだ?まだ何か用か」
1号「うん、、、あの」
1号はパー子の方を見ると、バードマンも了解したらしい 今回の最大の誤算
パー子の正体を1号は知ってしまった。アイドル 星野スミレ それを知った
1号がこのままパー子と今まで通り・・・。なんて訳にはいかないのは
バードマンにも察しが付く、3号が自分の正体を隠していた理由がまさにそれだった
「アイドル スミレと一緒に危険な任務を遂行する。あこがれのスミレが犯人を
なぎ倒し、パータッチで事件現場に急行する」そんな夢みたいな事が現実になった時
1号は、パー子と勿論 今までの関係は保てない。パーマン活動にも様々な支障を
起こすのは目に見えている。でも、じゃあ、どうする???
バードマンは1号と3号の顔を見比べていると、1号が思いがけない事を言い出す
1号「おい、パー子 パー子 しっかりしろよ」
パー子「あ、、、1・1号!人間に戻れたのね!」
気絶から醒めたパー子は1号にそう言って抱きつく
1号「何言ってんだい?まるでボクが人間じゃなかったみたいな事言うなよ」
パー子「え?だって・・・」
1号は、2号や4号の頬を叩いてみんなを気が付かせる パー子はボンヤリ その1号を
眺めていた。
パー子(あら? そうよね、1号が人間じゃなかったなんて・・・私 何言ってんの
かしら?、でも、確か・・・)
頭がクラクラする
パーヤン「いやぁ〜 1号はんが、遅れてきてくれたおかげで助かったわ」
ブービー「ウッキャ〜」
1号「ニャハハ たまには寝坊も役に立つときもあるね」
パー子(寝坊?・・・そうよね、1号は寝坊して事件に間に合わなくて、だから
嵐に巻き込まれずに、私たちを助けられたのよね・・・でも・・・?)
しげしげ1号を見つめるパー子に1号は彼女の顔をのぞき込むと、またいつもの事を
言い出す
1号「パー子、いい加減マスクを外して正体を見せろよ」
パー子「いや〜よ!」
1号「いいじゃないか〜〜 助けてあげたんだし」
パー子「それとコレとは話が別! いや!イヤったらイヤ!!」
2人で追いかけながら帰路につく1号と3号 その後を追って2号と4号も空に飛び立つ。
宇宙空間でバードマンはその1号達の様子をモニター越しに見ていた。バードマンの
腰にはさっき使った。忘却銃が収まっている。そう、1号の頼みとは猫になった事も
パー子がスミレだったと言うことも忘れさせてくれ。と言うこと・・・。
1号「今回の事は全部ボクの責任だ パー子が、、、スミレちゃんが僕らに正体を
見せたくない理由なんとなくわかったし、こんな事でパー子の秘密を知るのは
卑怯だと思うんだ。」
1号は気絶からまだ醒めないパー子を見下ろすと大げさに肩を落として言う
1号「パー子がスミレちゃんだったなんてがっかりだしさ」
1号がバードマンに言い訳がましく言う
バードマン(1号の奴・・・・)
バードマンは苦笑して忘却銃を構える
1号は一瞬 パー子の方を振り返った。スミレの飼い猫になった自分をちょっと
懐かしむように。
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