一人で行こう。1号は決意した。暗い洞窟の中いつまでもここにいても仕方ない。
1号「パー子。ブービーを頼む」
パー子「大丈夫?」
心配するパー子の言葉、パー子のそばでブービーが冷や汗を流しながら苦しんでいる
1号は無理に笑顔を作りながら言う
1号「大丈夫さ!ボクはパーマン1号なんだぞ」
パー子「だから心配なのよ」
1号「ヘコーッ 君ねぇ!」

こんな時にまで、けなさなくてもいいじゃない?そう思いながら振り返ると
パー子は涙ぐんで1号を見ている
1号「ぱ・パー子・・・平気だよ!パー子こそ2号を頼んだぞ」
強がって暗い洞窟を抜け、夜空を飛んでいく1号を棺桶塔からのレーダーやサーチライ
トが狙う。1号はそのライトやレーダーを巧によけ 上空へと上がっていくとバッジを
加え宇宙空間にまで登り詰める。暗い宇宙空間には無数の隕石が点在している
青い地球は静かに輝いている。こんなにきれいな星でどうして人は憎しみ会い争うの
だろう?ふと聖人めいた事を思う1号 地球の近くに月がこれ以上見えないほど大きく
輝いている。その月にパー子の顔が浮かぶ
1号「チェッ パー子の奴」
鼻をすする1号 1号は死を決意していた。そう もしかして死んじゃうかも知れない
でも、パーヤンを、パー子を、ブービーを、彼らを守るためにはそれも仕方ない
だって、だってボクは…
1号「ボクはパーマン1号なんだ!」
隕石をつかむと大気圏までそ〜〜っとそれを運ぶ1号 真下にはX国
棺桶塔
それはつい2.3日前の事だった。春のうららかな日差しの中 授業中にも関わらず
ミツ夫は昼寝していた。先生に怒られ 廊下に立たされたその時 パーヤンからの
緊急連絡が入る
1号「はい こちら1号」
パーヤン「あ、1号はん 助けてんか?わいは今 X国の棺桶塔に・・・と、閉じこめ
博士と一緒に、助けて・・・・」
通信が途中でブチブチ切れる せっぱ詰まったパーヤンの声 あの冷静なパーヤンが
窮地に追い込まれるなんて よっぽどのことだ。1号はすぐさま茂みに隠しておいた
コピーの鼻を押すとパー着する。上空でパー子とブービーが不安そうに1号と合流する
パー子「1号 パーヤンから連絡が来た?」
1号「ああ、X国の棺桶塔に博士と一緒に閉じこめられたって」
パー子「X国の棺桶塔ですって!?」
1号「うん、あれ?パー子には連絡がなかったの?」
パー子「ええ、でも、この所ずっとパーヤンが暗号めいた変な連絡を毎日 同じ時間に
くれてたんだけど、今日 急にそれが来なくて こっちから連絡しても応答がないし
それより 1号 棺桶塔って!!」
おしゃべりなパー子がこれまた
ペラペラまくしたてる。でも、その内容はいつもの
あくびが出る様な内容とは大違いだった。
X国はその名がニュースに出るたびにみなが不安に思うような事ばかりをする
不審な国だ。戦争好きで、自国の事ばかりを考えているような上層部の発言。
今も近隣のZ国と冷戦状態で、いつ戦争になってもおかしくない。そしてX国の
もっとも恐ろしいと言われているのが棺桶塔と言われる鉄の要塞 冷徹な将軍の
納める棺桶塔には第二次世界大戦のナチスよろしく、日ごとに恐ろしい実験や
殺人兵器が改良され、世界各国の頭脳と呼ばれる博士を軟禁しそれらの実験や改良が
進められているというもっぱらのウワサ。
1号「そんな所にどうしてパーヤンが!?」
パー子「毎日 パーヤンがくれる暗号の中に“おとぼけ博士”て人が出てきてたの」
1号「おとぼけ博士〜?ふざけた名前だな・・・あれ?どっかで聞いたことある」
パー子「そうなのよ、私もずっと分からなかったんだけど1年前行方不明になった
科学者の(音野 坊毛 おとの ぼうけ)博士の事じゃないかと思うの 確か
大阪出身だったのよね」
1号「間違いない!パーヤンは博士を助けようとして捕まっちゃったんだ」
2人で空を飛びながらそんな事を話しているとはるか後ろの方にブービーが
付いてくる
パー子「どうしたの?ブービー」
1号「そういえばさっきから元気がないな」
ブービー「ウッキュ〜」
お腹を抱えて弱り顔のブービー
1号「なんだ お腹が減ってるのか、そうだなX国まで行くにはちょっと準備しなきゃ
いったん家に帰って食べ物や飲み物の必需品を持ってこよう」
意気揚々と戻ってきたブービーはこれ以上持てないほどのバナナの入ったリュックを
背負っていた。1号と3号に怒られ渋々 家にバナナを置いて戻ってくる2号
緊張感のないパーマン達が、X国の上空を飛んでいるといきなり発砲され、軍服を着た
兵士が外国語でまくし立てる。マスクの翻訳機能をオンにする
兵士「ここからは我が国の領内だ!空といえども勝手に飛ぶことはゆるさん」
1号「うっへ〜 聞きしにまさる国だな」
パーマン達はX国とZ国の間のさほど高くない山におりたつと地図を広げて棺桶塔の
場所を確かめる、棺桶塔はX国ほぼ中央にあり、その周りは砂漠が囲んでいる。
国と言ってもこのX国はひどく狭く 人口も少ない。でも、国民全員が軍人と言って
も過言ではない程、軍事に力を入れている。
1号「空が駄目なら 地下から行こう」
滅多にしないがパーマン忍法穴掘り、と3人は土を掘り進む が、砂漠の土は掘っても
掘っても上から崩れて来て全然 前に進まない。おまけに地雷があちこちに埋めて
あるという念の入れよう。その後も 変装して物売りに化けたり。荷台に隠れて
潜り込もうとするがどれも失敗 そればかりか警備は一段と厳重になり、レーダーや
ライトが増えてしまうありさま、夜になり、ほとほと疲れたパーマン達は山の中
小さな洞穴に身を隠していた。
パー子「地下も駄目 空も駄目 勿論地上も、どうする?」
1号「うーん・・・そうだなぁ」
腕を組んで考え込んでいる1号の側でブービーが生あくびをする
1号「なんだよブービー!少しは君も考えろよ」
と怒鳴る1号 2号はコテンと倒れて寝てしまう
1号「ウッキー!!なんて奴だ」
ジダンダを踏んで怒る1号 パー子がブービーの身体に何気なく触ると悲鳴をあげる
パー子「まぁ!大変 すごい熱だわ」
ブービーはお腹を抱えて冷や汗を流している。
あれからどのくらい立っただろうか 2号は相変わらず苦しんでいる 疲労と
2号4号の危機に1号と3号は閉口していた。
パー子「どうしよう?」
不安げなパー子の言葉、こんな時1号はどうしたらいいんだ。
男として、パーマンのリーダーとして、どう判断し、行動したらいいのだろう?
病気の2号をいったん日本に返して4号救出を後回しにすればいいんだろうか?
でも、今 あの黒くそびえる棺桶塔で4号はどんなヒドイ目に会わされているのかを
考えるとこうしてはいられない。
暗い夜 レーダーやサーチライトが無数に光っている。と、その中でレーダーが
何かを発見 爆破している。
1号「なんだろう?」
目を凝らして見ているとやがて空からの落下物に反応してレーダーが爆破しているの
がわかる、隕石だ。隕石にレーダーは反応して爆破している。やがてレーダーは
隕石の爆破をやめた。
パー子「センサーを変えたのね」
隣で見ていたパー子がつぶやく
1号「え?」
パー子「バクダンってすごくお金がかかるんですって、だからむやみに打つともっ
たいないでしょ?」
1号「うん そうだろうね」
パー子「だから隕石みたいな自然物には反応しないようにレーダーの設定を変えた
んじゃないかしら?」
1号「ふーん…なるほどね」(パー子はいろんな事を知ってるな、センサーの設定を
変えたのかぁ・・・ん まてよだったら!)
1号は空を見上げた。バッジを加えて宇宙から落ちてくる隕石のふりをすれば、
センサーに爆破されずに棺桶塔に入れる。
パー子「1号… まさか」
パー子には1号の考えが分かったらしい。顔色を変えて1号を見つめる
一人で行こう。1号は決意した。暗い洞窟の中いつまでもここにいても仕方ない。
1号「パー子。ブービーを頼む」
パー子「大丈夫?」
心配するパー子の言葉、パー子のそばでブービーが冷や汗を流しながら苦しんでいる
1号は無理に笑顔を作りながら言う
1号「大丈夫さ!ボクはパーマン1号なんだぞ」
パー子「だから心配なのよ」
1号「ヘコーッ 君ねぇ!」
こんな時にまで、けなさなくてもいいじゃない?そう思いながら振り返ると
パー子は涙ぐんで1号を見ていた。
棺桶塔を目の当たりに1号は出来るだけ自然に落下した。そして少しずつ向きを変え
棺桶塔の門の中に入り込むと、すぐさま地面に穴を掘って身を隠す。隕石の落下に気が付いた
兵士が一人 確認に来る
兵士「あはっ、な〜んだ隕石かぁ〜 へへへ・・・」
千鳥足で去っていく兵士 1号はバッジを加えたまま穴から顔を出す
1号「へんな兵隊だな、戦争でおかしくなってるのかな?」
棺桶塔の中は妙に静まりかえっている。どこにパーヤンと博士は閉じこめられているんだろう
物陰に隠れながら1号は棺桶塔の中に入っていく、途中 何人かの兵士を見かけるが、どの兵士も
なんだか足取りが軽く、フワフワしている、ハナ歌など歌いながら歩いていたり、仲間と楽し
げに語らっている。緊張感という物が丸でない、なんだか拍子抜けしてきた1号が、バッジを
いつまでも加えているのに気が付き口から放そうとしたとき パーヤンの声が後ろからする
パーヤン「1号はん 来てくれたんでんなぁ」
1号「パーヤン!無事だったのか」
飛び上がって喜ぶ1号を制するパーヤン
パーヤン「あ、1号はん口からバッジを放さんといて」
1号「え?」
おとぼけ博士「ガスにやられてしまうぞぃ」
小柄な白衣姿の男がのんびりした調子で言う、ガスマスクをしているので顔はわからないが
どうやらこの男がおとぼけ博士らしい
パーヤン「いや〜 遠くまで呼び出して申し訳ないなぁ」
1号「パーヤン これはいったい?どういうこと」
周りを見渡すと兵士がフラフラ歩き回っている。気のせいかピンク色のガスが充満している
パーヤン「このピンク色のガスのせいで戦闘的なX国の人間はへいわ〜な気分になっとるんや」
パーヤンの話では、おとぼけ博士が研究していた「脳細胞破壊液」をX国が悪用しようと
博士を狙っていた。パーヤンは1年前 博士と知り合い 彼を特別な場所に隠していたのだが
とうとうX国のスパイに博士が連れ去られてしまった。パーヤンは博士を助けるために
X国に乗り込んだのだが、捕まってしまった。
パーヤン「1号はんに連絡した時は わいも もう駄目かと思いましてん」
1号「でも、どうやって? これは脳細胞破壊液の勢なの?」
おとぼけ博士「私の研究していたのは脳細胞破壊液ではないんだがね まぁ 無事完成したらし
いわい」
満足げに兵士を見渡す博士、兵士はみな最初に1号達が見た殺気だった雰囲気は消え、
星を眺め、酒を酌み交わし、おたがいの家族の写真などを見せ会い 談笑している。
博士「私が研究していたのは、イヤな気持ちや 悪い心をすっかり消してしまう薬だ、
ま、もともとのんきな人間にはとても使えないがね、この国の様に殺気立ってる人間には
いい薬だわい」
パーヤン「つい1時間前に完成して、ガス状にした液をバラまいたんや
もう、おわったさかいに帰りまひょ」
1号「な。何だい!心配させて〜〜〜!! ボクは死ぬ気でここに来たし、
パー子とブービーだって・・・あ!ブービー!!」
バッジに呼びかけるとブービーは元気な声で応答する
2号「ウッキー! ウッキャ?」
1号「ブービー よかった 元気になったんだね」
とブービーも実はバナナの食べ過ぎ、X国に出発間際 1号にバナナを家に置いていくよう
怒られたブービーは、いっぺんにバナナを50本も食べだめしたのだという、
パー子の方もパーヤンの事情を聞かされ ホッとするやらあきれるやら
パー子「じゃあ・・・あたし達 無駄足だったのね」
上空でパーマン達が久しぶりに全員集合する 死を覚悟して棺桶塔に乗り込んだ1号
その1号を涙で見送ったパー子が初めて また顔を合わせる
おたがいどうにも照れくさい。結局 シリアスに心配してしまった2人が一番の道化役だ
1号がパー子の顔を見て 赤くなる パー子も1号の顔を見て赤くなる。
1号「大丈夫さ!ボクはパーマン1号なんだぞ」
パー子「だから心配なのよ」
だから、心配なのよ そう言って涙ぐんだパー子 その涙を1号は忘れられない。
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