朝日ヶ丘スミレ団

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■ 第1話 出発はホワイトデー

1. 発端
  • パトロールの帰り(2000/06/24)
     地球最初のパーマングループができてから、二年の月日が経とうとしている。
     四人のパーマンたちは、毎日の仕事に忙しい日々を送っていた。この夜も、パトロール帰りの1.2.3号がそろって家路を急いでいる。
     「ねぇ1号、ちょっと気になるんだけど」
     「何が」
     3号の言葉に1号が尋ねる。
     「バード星に留学したあなたのコピー、そろそろ地球に帰って来るんじゃない?バードマンは何も話してくれないの?」
     「留学?……ああ、そんなこともあったっけ」
    すっとぼける1号にあきれ顔の3号。

  • ムカ!(2000/06/24)
     「今度バードマンと会ったときにでも、聞いてみるよ。……でも、あいつちゃんとやってるのかな?」
     「あなたのコピーは、本人より利口だと思うから、大丈夫」
     「何だと?」
     「あたしじゃないわよ、ブービーが」
     1号はにやけ顔の2号と3号を見比べ、そっぽを向いた。
     「僕はリーダーとして立派に働いてきたんだ。コピーなんかに負けるもんか」
     「そうね。きっと大丈夫よ。じゃあ、おやすみなさい」
     そう言い残すと、3号は飛び去った。

  • とにかく!(2000/06/23)
     「ただいまー」
     二階の自室に戻ってきた1号は、ベッドの上でマンガを読んでいるコピーを見て、顔をしかめた。
     「コピー、宿題は終わったのか?」
     「うるさいなあ。終わったからマンガ読んでるんじゃない」
     コピーはマンガから目を離さず答える。
     「やっただけじゃ困るんだよ。もうすぐ中学生なんだから。『小学校で落ちこぼれてたら、どの高校にも入れませんよ』ってママにイヤミ言われるのはご免だからね」
     「自業自得じゃない」
     ぼやくコピーにかまわず、1号はマスクを外した。
     「とにかく、オデコタッチして、マンガの中身を教えろ」
     「ちぇっ、いつもいいとこ取りなんだから」

  • 寒いんですけど・・・(2000/06/24)
     朝日ヶ丘小の屋上。円盤にもたれかかったバードマンと、寒そうな1号が向かい合っている。
     「寒いから、手短にお願いします」
     1号の申し出に構わず、バードマンはゆっくりと話を切り出した。

  • コピー、お前はいい奴だな(2000/06/24)
     「それに、君はパーマンをずっと続けたいんだろ?だったら、僕もコピーとして精一杯応援するよ。それがコピーの役目だからね」
     ミツ夫はコピーの手を取った。
     「コピー、お前はいい奴だな」
     「今頃気づいたの」
    コピーは澄まして答えた。

  • え〜!!(2000/05/16)
     翌日の放課後。バードマンは須羽家にパーマン四人を呼び出した。コピーも待機している。1号から事の成り行きを聞いたパーマンたちの驚きは大変なものだった。

  • 留学します!(2000/07/16)
     「それで1号、決心はついたのか」
     バードマンの呼びかけに、1号は仲間の顔をちらと見た。そして話し出す。
     「はい。……留学します」
    誰も言葉を発しなかった。1号はさらに話し続ける。
     「不安は山ほどあるけど、折角選ばれたんだもの、できるところまでやってみたいんだ。それに、他の星のパーマンやバードマンも見てみたいし。……コピーやみんなには迷惑かけるけど、地球代表として恥ずかしくないよう、精一杯頑張るよ」

  • ドラマスペシャル『あしながの君』より 父と薫 ラストシーン(2000/02/23)
     いつも通りの夕食の後、ミツ夫はガン子と一緒に居間に行った。星野スミレ主演のスペシャルドラマが放映されるのだ。
     題は、「あしながの君」。母を亡くした少女、薫が、行方不明の父を捜して一人旅をするという内容のロードムービーだ。手がかりは、父の写真が入ったロケットだけ。彼女を影で助ける男性こそが父なのだが、彼は指名手配中の逃亡犯だった。少女に姿を明かした時、彼は自首の決意をする。ラストシーン、ロケットを握りしめて薫はつぶやく。
     「わたし、もう寂しくない。だって、ここにいつでもパパがいるんだもの。会える日まで、ずっと待ってるわ」
     カメラがスミレの横顔をズームアップした。頬に一筋の涙が流れる。
     (スミレちゃんのドラマも、当分見れないんだな……)
     ミツ夫は画面に見入っていた。

    ※ 薫の父役には、演技派の役者へ見事転身を果たした(?)デビル悪島【85話 やさしい悪役】を当ててみました。(おっけっ!!)
2. 3月12日
  • 待つ・・・(2000/02/19)
     デパートのレストランで夕食を終えた後、須羽一家が戻ってきたのは八時過ぎだった。
     (パー子、もうパトロール終わったかな)
     そう思いながら自室のドアを開け、明かりをつけたミツ夫の足が止まった。暗闇の中に、ベッドに腰掛けた人影がいたのだ。3号だ。

  • パー子のバレンタイン(2000/02/20)
    3号 「はい、これ」
    1号 「いやぁ、折角だからありがたく……」
    3号 「ストップ!そのまま動かないで」
    1号 「な、何するんだよ」
    3号 「はい、ミツ夫さんに(^^)」
    1号 「あ、ありがとう……」

    (タイトル、セリフは大田康湖さん)

    ※ このらくがきは、以下のシーンから新たに連想したものです。(おっけっ!!)

     「ミッちゃんにだけお返し買ったの?ユキちゃんの分は僕が買わせてもらうからいいけど、ガン子やパー子さんの分はどうするの」
     コピーが尋ねる。
     「そういえば、パー子にもチョコもらってたっけ。何か買っとくべきだったかな」
     「そうだよ。しかもパー子さんは、『ミツ夫さんに』ってチョコくれたんだよ」
    コピーの言うとおりだった。
     「パー子さんだって、今まで毎日のように会ってたんだもの、寂しいと思うけどな」
     「あのパー子に限って、そんな」
    ミツ夫は笑い飛ばしたが、脳裏にはあの時の3号の顔が焼き付いていた。
3. 3月13日
  • あしながの君 ミツ夫より(2000/02/22)
     登校したミツ夫は、サイン帳をミチ子に渡す。早速中を見たミチ子は、口を押さえて笑った。
     「あらやだ、ミツ夫さんたら大げさなんだから」
     サイン帳にはこう書かれていた。
     『ミッちゃん、君に会えなくても、僕は君のことが大好きです。だから、寂しくてもずっと忘れないでね。
                                                 あしながの君 ミツ夫より』

    ※ ミッちゃん、実はこんなことを考えていたりして・・・。(おっけっ!!)

  • ボーッ(2000/02/22)
     「カバオくん、ミツ夫がまたボーッとしてますよ」
     サブがカバオをつつく。
     「ミッちゃんに笑われたのが、そんなにショックだったんだな。そっとしとこうぜ」
     「カバオくん、今日は優しいんですね」

  • パー子!(2000/04/10)
     「パー子!」
     1号はトタンの破片を飛び越えた。そのまま3号を抱き起こす。絵をしっかりと抱えていたが、バッジは扉の前に落ちている。扉の隙間から、炎と煙が迫ってきていた。もはや一刻の猶予もない。1号は、右手で3号を抱え上げ、左手で3号のバッジを拾い、天井に脱出した。

    ※ バッジが着いたままだったり、絵を抱えていなかったりして、ちょっと間違っているのですが、こういうイメージなんだよ〜ということで・・・。
4. その夜
  • 1号VSパー子(2000/02/18)
     1号はビルの屋上に立っていた。待っている時間が、長く感じられる。やがて、上空に3号の影が見えた。3号は1号の前に立つと、尋ねた。
     「話って、何よ」
     1号はポケットに手を入れたまま話し出した。
     「パーヤンから言われたんだよ。今日中に謝っとけって」
     3号は無言で聞いている。1号は話し続ける。

  • お返し(2000/02/24)
     「パー子、昨日はごめん。あのさ、これ」
     1号は、ポケットに入れていた袋を取り出した。
     「ホワイトデーは明日だけど、出発が明日朝だっていうからさ」
     「これ、見てもいいの?」

  • だって・・・<2000/02/21>
     「ま、まずいよ。ミツ夫の写真だよ。パーマンじゃなくて。まずいよやっぱ」
     1号は手をぶんぶん振るが、3号の言葉は意外なものだった。
     「あら、あたしはこっちの方が嬉しいわ。だって、……ミツ夫さんがいるんですもの」
     3号は丁寧にロケットを閉じた。1号の胸に暖かいものが広がる。

  • パー子って・・・(2000/02/20)
     (僕をミツ夫として好いてくれるなんて……。パー子って案外いいところあるんだ)

  • なによ、それ(2000/02/21)
     1号は呼びかけた。
     「あ、あのさ、君に一つ頼みがあるんだ」
     「なあに」
     「僕がいない間、コピーの事を面倒見てくれないか。あいつのことだから、色々ヘマすると思うんだ。それに、君だって、話し相手がなくなると困るだろ」
     「なによ、それ」
     最後の言葉に3号は軽口で答える。1号はさらに続けた。
     「パー子、君には色々ひどいこと言ったけど、君がいなかったらパーマンは続けていけなかったよ。感謝してる」

  • のぞき込み!(2000/02/19)
     「……ありがとう、1号。じゃ、あたしからもお願い」
     3号は1号の顔をのぞき込む。
     「向こうに行っても、女の子にうつつ抜かさないでね。あたし、待ってるから」
     「……分かったよ」
     3号の真剣な目を見ると、1号はこう答えずにはいられなかった。

  • 良かった・・・(2000/02/20)
     「良かった」
     そっとつぶやく3号。その時、うつむいた3号の瞳から、一筋の涙が流れた。1号にはその姿が、一瞬スミレの演じた薫とタブって見えた。ふと目をこすると、3号はいつもの姿に戻っていた。
5. 最後の餞別
  • ・・・・・・(2000/06/26)
     ここは果てなき宇宙空間。いつか来た道を、1号は円盤に乗って飛んでいた。だが、心はうつろだった。頭の中には、さっきの出来事がリピートされ続けていたのだ。
     (パー子が、スミレちゃんだったなんて……スミレちゃんが……あのパー子……)
     3号が餞別として明かしたのは、自分の素顔だった。今までのパー子と過ごした日々が、頭を駆け巡る。その鎖を断ち切ったのは、バードマンの呼びかけだった。
     「1号、1号」
     我に返った1号は、バードマンに呼びかけ返した。
     「ねえバードマン。どうして、パー子、いやスミレちゃんをパーマンにしたの?」
     「ン?それはな、1号に会いたがってたからさ」
     「……まさか」
     「本当さ。まさか、そこまで仲良くなるとは思わなかったがな。ハッハハハ……」
     バードマンの高笑いが響く円盤内で、1号はさらに考えていた。
     (結局、僕もスミレちゃんも、今までの自分と違う自分になりたかったのかもしれないな。僕がミツ夫として苦しんでいたことは、そのままスミレちゃんの苦しみだったんだ。なのに僕、さんざんパー子にひどいこと言って……)

  • ウソつきーっ!(2000/06/25)
     「1号、もうすぐバードマン本部に到着するぞ」
     バードマンがさらに呼びかける。眼下には、いつか見た緑色の惑星が浮かんでいる。
     「もう、バード星なの?」
    1号は気持ちを切り替えようとした。
     「正確には、バード本星じゃなくて、バード惑星連合のクラム星だけどな。ま、どうせ勉強することだから、後でじっくり教わるんだな。それよりも、大切な話があるんだ」
     バードマンの声が引き締まる。1号は身構えた。留学へのはなむけの言葉でもくれるのかと思ったからだ。だが、次の言葉はあまりにも意外なものだった。
     「昨日、言いそびれた話なんだが、……あのな、あの、変身銃のことだ」
     「はあ」
     「実は、ありゃあ、嘘なんだ」
     「え、ええーっ!!」
    1号は己の耳を疑った。
     「いやぁ、あんまり効き目があったんで、つい言いそびれてな。ハハハッ……」
     照れ笑いを続けるバードマンに、1号はあきれながら尋ねた。
     「じゃ、動物にするっていうのも?」
     「まぁ、そうなるかな。だがな、秘密をばらしたら、パーマンであった記憶は強制的に消去されるぞ。もちろん、ばらした相手もな」
     必死に取り繕おうとするバードマンだが、1号のショックはおさまらない。
     「今まで、よくも僕らを脅しまくって……」
     「許せ、1号」
     「バードマンの、ウソつきーっ!」
     二つの円盤は、先を争うようにクラム星へと降りていった。

    ※ モニターを通して会話する二人を描いてみました。(おっけっ!!)
    (了)



ホワイトデー・アフター (第一話の後の世界を少〜しだけ妄想してみました)

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